テンパイチャンス
私の上級では、「テンパイチャンス」を、お教えします。
テンパイチャンス?どんな効果があるの?
最も効率よく聴牌する為の一向聴を作る術です。
誰よりも早く、聴牌したいですよね?
そりゃ、もちろんだよ。
もう少しで流局、ツモがなくなる…。
何とか聴牌したい…。
そんなこと、ありませんか?
それも結構あるなあ。
そんな時、最も聴牌しやすい一向聴の形を
組むことのできる術なんですよ、るなさん。
なーるほど!上級って感じがするね!

雀頭の数で判断しよう
テンパイチャンスは、今、手の中にある
「雀頭候補」の数で、パターンが変わります。
多くの場合、一向聴の時、雀頭の候補は、
「0個」「1個」「2個」のいずれかになります。
雀頭の数は、手牌の中から、最も面子を多く抜き出すと、
分かります。
手牌 抜き出した
メンツ
残った牌 雀頭


 


 
 

  
 
ほとんどの場合がこうなるよね。
七対子や国士無双なんかは、例外でしょ?
その通りです。
では、それぞれの雀頭数の場合を、
「雀頭0型」「雀頭1型」「雀頭2型」と名付けることにしましょう。
それぞれのパターンで、どのようにすれば最も受けが広いかは、
実は、決まっているんです。

雀頭0型 ⇒ 搭子を2つ残す
雀頭1型 ⇒ 孤立牌を2つ残す
雀頭2型 ⇒ ポンチーよし型を作る

いかがですか?簡単でしょう?
簡単でしょう、って…。
分かってる人には簡単かも知れないけど、
私にはまだ、チンプンカンプンだよ。
失礼しました。
るなさんは飲み込みが大変に早いので、
何でもすぐ理解できるものと、錯覚してしまいました。
ひとつづつ、丁寧に、説明しますね。
私のこと、そんなに買いかぶられると、
プレッシャーなんだけど…。
まあ、頑張って覚えるから、ひとつづつ、説明お願い。
かしこまりました。

雀頭0型
雀頭0型は、『搭子を2つ残す』のが、最も受けが広い一向聴となります。
どれどれ、具体例を見せて。
以下の手、るなさんなら、何を捨てますか?
 ツモ
の変則3門張を大切にして、
ここは、を捨てていくのがいいと思うよ。
変則3門張は11枚待ちだけど、両搭は8枚待ちだもんね。
中級でお教えした内容を、よく理解していらっしゃいますね。
しかし、テンパイチャンスを考える上では、
ここはを捨てます。
そして、両搭であるを残すのです。
・・・。
なんか、すごーく勿体ないことしてる気がするんだけど。
この知識をお教えした皆さん、必ずそう仰います。
では、検討してみますね。
を捨てた場合と、を捨てた場合とで、
聴牌できる牌の枚数を比べてみましょう。
捨牌 一向聴 聴牌できる牌 枚数
22
28
わっ、本当だ。
を捨てた時の方が、聴牌できる枚数が6枚も多い!
ですよね。
搭子を2つ残す方が、聴牌には有利です。
むー、なんかまだ釈然としない!
搭子ふたつって言ったよね。
じゃあ、有利な両搭ふたつじゃなく、
不利な辺搭ふたつでも、同じことが言えるの!?
その場合も、検討してみましょうか。
捨牌 一向聴 聴牌できる牌 枚数
18
20
なるほど・・・納得した。
こんな場合であっても、わずかだけど、
搭子を2つ残した方が有利なんだ。
ご理解頂けて、嬉しいです。
このことから分かるように、雀頭0型においては、
「搭子を2つ残す」のが、テンパイチャンスが最大となる打ち方なのです。
でもさあ、これ、最悪、単騎待ちになっちゃうよ?不利じゃない?
今お教えしているのは、最終受けが有利になるかどうかではなく、
「聴牌できる牌の枚数を最大にする」という術です。
混同なさらない様、ご注意下さい。
そうだった。別個のものと考えないと。
話の腰を折って、ごめんなさい。
余談ですが…ごくごく稀に、この法則が当てはまらない場合があります。
あまりにも稀なので、知らなくても全く差し支えございませんが…
どうしても知りたい場合、こちらをご覧下さい。
雀頭0型の【例外】

雀頭1型
雀頭1型においては、
「孤立牌を2つ残す」と、テンパイチャンスが最大になります。
この例で、考えてみましょう。
さあ、るなさんなら、何を捨てますか?
このポツンと浮いてる、捨てたい!
は、一盃口の素になってるし、
なにより、なんというか、スッキリしないじゃん。
うふっ。スッキリしませんか。
しかし、ここでは、このスッキリしないを残し、
を捨てるのが良いのです。
そうなの?検討してみよう。
捨牌 一向聴 聴牌できる牌 枚数

37

40
僅差ではありますが、切りに軍配です。
聴牌できる牌を数えている時に気付いたよ。
友達がたくさん生き残っている牌を残すといいんだね。
には、、19枚の友達が丸々生き残ってるけど、
では、の15枚の友達のうち、もう自分で3枚使ってるから、
12枚しか友達がいないんだ。
この差が、聴牌できる種類に影響してると思うんだけど、どうかな。
なんと…。その通りなんです。
友達の多く残っている牌を残す…、これが、雀頭1型の真髄です。
あはは。当たった〜。
ひとつ、役に立つ術を付け足しましょう。
雀頭1型で、孤立牌を残す際は、「順子にくっつく34567」を残してください。
とりわけ、「端が34567のノベタン」を大切にして下さい。
ノベタンって、みたいな形だったよね。
これを持っていると、何かいいことがあるの?
単純に孤立牌をひとつ持つより、はるかに効率が良くなるのです。
以下の例を見てみましょう。
るなさんなら、どれを捨てますか?
孤立牌を2つ残すなら、を捨てるのが良さそうだけど…。
検討してみよっか。
捨牌 一向聴 聴牌できる牌 枚数

40


49
うわー!なにこの差!
そうか、ノベタンを残すと、両端のの、それぞれの友達が
全部有効牌になるんだ!
とすると、とかって、端牌の入ってるノベタンは、
あんまり効果ないのかな。
えーっと、例えばなら、友達19枚でしょ。
なら、で聴牌、20枚ある。
そっか、端牌の入ったノベタンであっても、
孤立牌1つ残すより、効率がいいんだ。
1枚しか差はないけど・・・。
ちなみに、
ノベタンを2つ残すと、なんと最大58枚待ちとなります。
これで聴牌できないわけがない!
雀頭1型では、孤立牌を大切に!
また、孤立牌は、順子にくっつく34567を残す!ノベタンなら尚良し!



雀頭2型
雀頭2型では、「ポンチーよし型を作る」のが、
テンパイチャンス最大となります。
あはは、ネーミングがかわいー。
で、具体的には?
具体的には、『ポンよしチーよしポンチーよし』の形を作ります。
説明も、随分ファンキーだね。
具体例を見た方が早いかも。
こういう形を作るんです。
まだちょっとわかんないなあ。
ポンよしチーよしって、どの部分のことを言うの?
更に細かく見てみましょう。こういうことなんですよ。
ポンよし チーよし ポンチーよし その他
これならよく分かる!なるほどね!
「ポンできる対子」「チーできる搭子」「ポンもチーもできる複合搭子」
これを揃えればいいんだ。
じゃあ、この場合は、「その他」の中から、を捨てればいいの?
その通りです。理解できましたね。
「チーよし」の部分は、嵌搭とか辺搭でもいいの?
もちろん、OKです。
ですが、両搭の方が有利なことは、言に及びませんね。
両搭が無理であれば、嵌搭や辺搭であっても仕方ありません。
とにかく、この形です。これは、50年以上も昔、
そちらの世界に生きた『沼崎雀歩』と言う方が提唱したものなんですよ。
へえ。元々は、こっちの世界の術なの?
ってことは、割と古典的な術なんだね。
そうですね。でも、今となっては、このような術、
そちらの世界では、誰も教えてくれないでしょう?
確かに。みんな知ってて、教えてくれないだけなのかなあ。
どうでしょうね。ですが、他の人を気にしても始まりません。
るなさんが覚えてくれたなら、それでいいのです。




ロス枚数による判断
テンパイチャンスでは、どれを残すと何枚待ちになる、というように、
時間をかけて検討しましたよね。
うん。面倒だよね。
麻雀の本番でやってたら、時間がいくらあっても足りないよ。
だから、形を覚えたんでしょ。
あれ、実は、もっと効率的に判断する方法があるんです。
「ロス」って考え方なんですが…。
そうなの?
それを先に教えてくれたらいいのに!
ごめんなさい。
それを先に教えるべきでしたかね。
ロスっていうのは、受け入れ枚数を調べる代わりに、
「裏目になる枚数」をカウントする術なんです。
裏目って言うと、こっち切っておけば…って後悔する牌?
その認識でOKです。それがロスです。
先ほどの雀頭0型を、もう一回、確認してみます。
捨牌 一向聴 聴牌できる牌 枚数
22
28
上の表で、「聴牌できる牌」の代わりに、
ロス(裏目:引くと後悔する牌)をカウントしてみましょう。
捨牌 一向聴 ロス(裏目) 枚数
17
11
あ、受け入れ枚数の多い捨ての方が、ロスが少ないね。
このように、受け入れ枚数を数えるより、
裏目の牌を数えた方がずっと早いんですよ。
折角ですので、さっきやらなかった雀頭2型の評価を、
受け入れ枚数とロスの2方面から検討してみます。
を捨てるのが正しかったよね。
じゃあ、を捨てた場合との比較をしてみよう。

■ 受け入れ枚数を数えると…
捨牌 一向聴 聴牌できる牌 枚数
16
20


■ ロスを数えると…
捨牌 一向聴 ロス 枚数

なるほど。ロスを数えた方が早い。
切りのロス0ってことは…ひょっとして、全く必要ない牌だったってこと?
そうです。
完全なる遊び駒だったんですね。
ロスの判断では、そのようなことも分かります。




0型?1型?
アクアさん。
こんな手でテンパイチャンスを最大にしたいんだけど、
これって0型と見るの?1型と見るの?
 ツモ
なるほど。
0型と見れば、と、搭子を2つ残す捨てとなりますし、
1型と見れば、孤立牌を2つ残すないし捨てが、良いですね。
こんな時こそ、ロスを数えてみましょう。
あの…できたら、結論だけ教えて欲しいなー、って。
ロスを数えるの、面倒ですか?
麻雀を究めるつもりなら、横着しては、いけません。
頭と時間を使い、考えることで、知識は深まるのです。
結論だけを知っても、そんなものは、付け焼き刃に過ぎないんですよ。
付け焼き刃の知識で、上級者を名乗るのですか。るなさん。
うっ…。そうだよね。
結論だけを知ろうなんて、甘かったよ。
私、どうかしてた。ごめんなさい。
深く反省して下さるようですから、結論を先にお教えしましょう。
0型と見るか1型と見るかで迷ったら、迷わず「1型」と見て下さい。
ということは、ないしを捨てるのがいいんだね。
検討してみるよ。
捨牌 一向聴 ロス(裏目) 枚数
19
11
11
なるほど、確かに、ないしを捨てれば、ロスが少ない。
このように、0型か1型か迷ったら、迷わず1型と見るといいんですよ。
なぜなら、0形の「搭子2つ」をメンツまたはアタマにする為の牌(最大28枚)より、
1形の「孤立牌2つ」にくっつこうとする牌
(ノベタン時最大56枚、非ノベタン時でも最大38枚)の方がずっと多いからです。
雀頭0型と1型を迷ったら、迷わず1型で考える!
やっぱり、理屈を熟知しないと、身に付かないよね。
先ほどは少々言い過ぎ、失礼致しました。
そのように考えて下さるのであれば、
るなさんも、立派な上級者に、なれそうですね。




原則、忘れるべからず
南4局、子。現在2位。トップとの差、200点。15巡目。
この手、どれを捨てますか?
 ツモ
もうすぐ流局、ここは何としても聴牌しておきたいところ。
トップがノーテン、自分が聴牌なら、逆転トップだもんね。
テンパイチャンス最大に受けるため、雀頭1型、孤立牌を2つ残す!
よって、ここはツモ切り!
正解です。
では、東1局、点差なし。現在、3巡目であれば、この手、どれを捨てますか?
 ツモ
始まったばっかりなんだ。
まあ、そうだったとしても、テンパイチャンスを最大に考えて、
さっきと同じくツモ切りでいいんじゃない?
残念。ここは、を捨てましょう。
え、テンパイチャンスを最大にしないの?
それでは、この場合の「ロスの枚数」と、「両搭ロス」を数えてみましょう。
両搭ロス?なあにそれ。
両面搭子を作る牌に限定した牌のロスです。
さあ、どのようになりますか?
捨牌 一向聴 ロス(裏目) 枚数 両搭ロス 枚数
16 14
19
うーん、そうか。
テンパイチャンス的には、を捨てる方が3枚お得なんだけど、
両搭を作るという視点では、6枚もロスが出ちゃうんだ。
よく考えれば、捨てちゃうと、一盃口も諦めなきゃならない。
まだ勝負は始まったばかり。だから、慌てて、聴牌を目指すことも、ないんだね。
お見事。その通りです。
テンパイチャンスの術は、あくまで「聴牌」を目指す術。
アガリやすさを度外視していることに、いつも注意しなければなりません。
テンパイチャンスだけに心を奪われて、
「両搭を作る」という基本を、おろそかにしないようにしましょうね。
そうだった、両搭…。これが基本だったね。気をつけようっと。



雀頭3・4型?
テンパイチャンスは、雀頭0〜2型で、パターンが決まってるんだよね?
その通りですよ。
雀頭3型とか、雀頭4型、っていうのもある気がするんだけど。
例えば、こんな手の場合。
手牌 抜き出した
メンツ
残った牌 雀頭

 
  

 
 
ああ…対々和、四暗刻、七対子を狙う手ですね。
この時のテンパイチャンスは、どうすると最大になるのかな?
テンパイチャンスを最大にする工夫は、あまりできません。
強いて言えば、雀頭3型は、『孤立牌を対子のどれかにくっつける』、
雀頭4型は、『どちらかの暗刻を崩して対子にする』
といったところでしょうか。
あ、テンパイチャンス最大とか、ないんだ?
雀頭3型の場合は、孤立牌で複合搭子(両面)を作るのが、テンパイチャンス最大です。
上の例では、を捨てれば、待ち。
 こう持つよりも、
 こう持った方が、
聴牌に近いことは、パッと見でも分かりますね。

ところで、この形は、雀頭2型である「ポンチーよし型」の、一歩手前です。
を引いたならば、と入れ替えて、

とするのが良いですね。

また、雀頭4型の場合は、「七対子」にするのが聴牌への近道です。
上の例では、を捨て、
という形にしておけば、
次巡、ほとんど何を持ってきても、と入れ替えることで、七対子を聴牌です。
そっか、普通に考えるだけでも、十分、
テンパイチャンス最大に出来るってことだね。
雀頭0〜2型は、迷うことが多いけれど、
雀頭3〜4型は、まず迷ったりしないもんね。
そういう意味で、雀頭3〜4型は、
省いてお教えしたのですが…。
るなさん、なかなか鋭い目を持ちましたね。
え、私?いや、あの
そのように、「本当にそうだろうか」と考えることもまた、数学的思考です。
るなさんの成長ぶりには、目をみはるばかりですね。
本当に凄いです。
…あはは、まあねー。これからも、どんどん、強くなるから。

(2011/08/08、和様のご指摘で作成した内容です。また、2013/2/22、といし様のご指摘で改訂しました。
 ああん、言いそびれちゃった…)



雀頭2型の特殊型
こんな形のテンパイチャンス最大を考えてみましょう。
了解!じゃあ、メンツを最も多く抜き出して、と…。を除けば、
。これが残るね。
雀頭2型の、ポンチーよし型にするんでしょ。
えーっと、有利なチーよしを作るには、を捨てるのが一番いいね。
どう?合ってるでしょ?
なるほど。では、このようにメンツを抜き出した場合は、どうですか?
を抜き出して、
、これが残ったと見ると…?
あ、あれっ?これ・・・ポンチーよし型にすると、を捨てるのが最も効率がいいね。
さっきの答えはだったのに、答えが変わっちゃった。一体どうして?
更に、を抜き出して、
、これを残せば…?
この場合もだ…。は間違ってた、ってことなの?
迷った場合は、基本に立ち戻ってみましょう。
、どちらのロスが少ないでしょうか。
えーっとねえ。
打牌 ロス 枚数
ん?の方が、ロスが少ない。私の答えで合ってるじゃん。
だけど、確かに、でも、ポンチーよし型になったよね。どうなってるの?
両搭と暗刻がくっついた形が、ふたつありますね。
この形だと、雀頭2型と考えると、いろいろと矛盾が生じやすいのです。
この形は、何を引いても雀頭がふたつ残る形です。
従って、他の部分で、雀頭は不要になります。
このことから、両搭と暗刻がくっついた形の部分を除いて、
雀頭候補となる部分を捨てるのが、最も効率よくなるのです。
なるほど。ってことは・・・

ここから、を除いて、
が残ったから、雀頭候補のをひとつ捨てればいいんだ。
ポツンとが浮いてるのが、なんだか気持ち悪いけど。
は決して浮いているわけではなく、
先ほど取り除いたにくっつく牌です。
少々違和感がありますが、このように考えて下さると良いと思います。
なるほどねえ。雀頭2型に見えるけど、
って形がふたつあったら、ちょっと特別なんだ。
ねえアクアさん、もう一問出してよ。それも同じようになるかどうか見てみたい。
かしこまりました。では、このような形はどうでしょう。
さっきの理屈で行けば、
を取り除いて、
が残るから、雀頭候補のを捨てるのがいいってことだね。
今回の手だと、も候補っぽいから、これも入れてロスを調べてみるよ。
打牌 ロス 枚数

ああ、やっぱり、のロスが一番少ないや。
ご理解頂けましたでしょうか。
両搭と暗刻がくっつく形がふたつあれば、それ以外の雀頭候補を捨てるのが良いのです。
ん…待てよ?
ねえ、「それ以外の雀頭候補」っていうのがない場合もあるんじゃないかな。
例えばこんなの。
どきっ。鋭い視点ですが…。
その場合は、普通の『雀頭2型』となりますね。
を抜き出し、
が残りますので、を捨てて、ポンチーよし型です。
そうならない場合は、仕方ありません。素直にロスを勘定しましょう。
結局それしかないのか…。



聴牌種類
テンパイチャンスを最大にする形は、ご理解頂けたと思います。
ここでは、「何を引くと聴牌か」について、考えてみましょう。
聴牌できる牌は何種類あるか、ってことだね。
だけど、それ、何かの役に立つ?
テンパイチャンスを最大にさえできれば、
何種類待てる、なんて、考えなくてもいいと思うんだけど・・・。
私もそのように考えておりましたが、
何やら、そちらの世界で、この知識を必要とする人間が増えているようなのです。
へえー?なんでかな?
理由はどうあれ、るなさんも、そのうち知りたくなる知識だと思いますので、
この機会にお教えしようというわけです。
そっかー。じゃあ、お願いします!
まず、前提として、「一向聴の手」を考える必要がありますよね。
そりゃそうだよ。聴牌するにはどの牌か、って聞いてるんだから。
では、一向聴の形には、どのようなものがあると思いますか?
えーっと、テンパイチャンス最大の形で言えば、
・雀頭0型
・雀頭1型
・雀頭2型
これは最低でもあるでしょ。
あとは、えーっと・・・なんだろ。
実は、一向聴の形には、以下の5種類がございます。

雀頭0型
雀頭1型
雀頭2型
雀頭2型なりそこね
雀頭5型

本当は国士無双の一向聴もあるのですが、誰が見ても一目瞭然なので、
ここでは取り扱いません。
うーん、雀頭0〜2型はよく分かるんだけど・・・
なりそこね?いまいちピンとこないなあ。
具体例を見ながら考えさせて。
かしこまりました。

特徴 牌姿例
雀頭0型 搭子2つ
雀頭1型 孤立牌2つ
雀頭2型 ポンチーよし型
雀頭2型
なりそこね
ポンよし無
チーよし無
ポンチーよし無
雀頭5型 5対子

それぞれの形に、探し方のコツがあります。
本当は国士無双の一向聴もあるのですが、誰が見ても一目瞭然なので、
ここでは取り扱いません。
なるほど。形を見れば、いつか見たようなものばかりだね。
じゃあ、ひとつひとつの聴牌種類は、どうなるのかな?

これさえ覚えておけば、スイスイと聴牌種類が分かります。

聴牌種類
雀頭0型 搭子で持っている牌全て+搭子を順子にする牌
雀頭1型 孤立牌の友達すべて+雀頭の牌
雀頭2型 搭子を順子にする牌+対子を刻子にする牌
雀頭2型
なりそこね
雀頭5型 孤立牌を対子にする牌

へー。割と簡単なんだ。
じゃあ、1個ずつ見ていこう。

■雀頭0型 ⇒ 搭子で持っている牌全て+搭子を順子にする牌


これだと、 + の、8種類だ。
これは見ればすぐ分かるね。


■雀頭1型 ⇒ 孤立牌の友達すべて+雀頭の牌


これだと、 + の、11種類だ。
うひゃー、これで聴牌できなかったら残念すぎる。


■雀頭2型(なりそこね含む) ⇒ 搭子を順子にする牌+対子を刻子にする牌


これだと、えっと、の、5種類だ。
えー、これしかないの?


■雀頭5 ⇒ 孤立牌を対子にする牌


これだと、の、3種類だ。
ただの七対子の一向聴じゃん。

基本的に、聴牌の種類は、これだけです。
そうなんだ!割と簡単なんだね。
侮らないようしましょう。以下は、注意点です。

@ 面子の抜き方に複数の解釈がある場合。
A スジの架け橋が応用できる場合。
B 4枚使った牌を待ちとしてはならない。
え?注意点があるんだ。ひとつづつ教えて!
では、@から。
面子の抜き方に複数の解釈がある場合、いずれの場合も試した方が良いでしょう。
例えば、この手牌の聴牌種類は分かりますか?
え?そんなに難しいかな。
を抜けば、が残るでしょ。
ポンチーよし型だから、雀頭2型だよね?
雀頭2型であれば、『搭子を順子にする牌+対子を刻子にする牌』が聴牌種類なんだから、
の、5種類じゃない?
ほら、待ちに気づきませんでしたね。
さ、!?・・・ああほんとだ!でも聴牌できる!
私の何が悪かったの??

この部分、メンツと解釈できる部分が、2種類あるのです。即ち、


どちらで考えても、雀頭2型となるのですね。
この場合は、どちらも考慮する必要があるのです。
ううう、そっか・・・早とちりしちゃった。
次に、A。待ち牌に「スジの架け橋」があるようなら、そちらも全て待ちになります。
こちらの例で考えましょう。
・・・普通に見れば、雀頭1型だよね。
を抜けば、
が雀頭で、孤立牌が
雀頭1型は、『孤立牌の友達すべて+雀頭の牌』が聴牌種類なんだから、

これだけでも結構すごい種類なんだけど、まだ他にもあるの?
この待ちに、スジの架け橋が適用されます。
(単騎)+待ち追加。
さらに、
(単騎)+待ち追加。
待ち+待ち追加。
さらに、
待ち+待ち追加。

こうなります。
この手、単騎待ちになる可能性を見出せないと、正解できません。
なるほど。難しいね。15種49枚待ちになるんだ・・・。
最後にB。4枚使った牌を待ちとカウントしてはなりません。
例えば、このように・・・。
あはは!これなら簡単!

を抜いて、
が残るから、単純な雀頭0型。
雀頭0型は、『搭子で持っている牌全て+搭子を順子にする牌』だから、


8種類でファイナルアンサー!!
えっ、るなさん・・・私の前フリが台無しです。
4枚使っている牌は、待ちにはならないと、・・・。
え?あああ、は4枚使ってて、もうないんだった!
じゃあ、の7種類だ!
これは凡ミス!気をつけなくちゃね!
上記のことに気をつけて頂くには、やはり慣れが必要でしょう。
ドリルを作成しますので、こちらもお試し下さい。
(2013/08/16未完成。後日UPいたします。)
はーい!やってみるね!



一向聴ピーク理論
うわ。理論って言葉が出てきた。私、この言葉なんだか苦手。
人間がつけた名前なのですが、私の術を、非常に端的に現せているので、
お借り致しました。
これはつまり、「テンパイチャンス最大の形を目指す二向聴」の術のことです。
テンパイチャンス最大はもう完璧に覚えたよ。
で、それを目指す二向聴?
分かりそうで分からない感じだね。具体例で教えて!
では、こんな手で見てみましょう。
オーラス、アガればトップの場面です。
 
捨牌候補は、ってところかな。
えーっと待ってね、ロスを数えるから。

  ロス×4枚
ロス ×2枚

あ、ロスはの方が少ないね。ってことは、を捨てるのが正解かな?
ロスの勘定は合っています。この時点では、を捨てるのが最大効率です。
いえーい!


ここにが出ました。すかさずポンして一向聴とします。
捨てるのはないしだと思いますが、その時の、聴牌できる枚数を
数えてみて下さい。
うん、そしたら、をポンして、を捨てると・・・

 ポン

こうだね。この時、聴牌できる牌は、
、合計16枚だ。
ということで、



からを捨て、を鳴くと、16枚待ちの未来が待っていました。
うん。
次にですね、先ほどロスの多かった、を捨てた時の未来を見てみましょう。
を捨て、をポンしてみて下さい。
あ、わざとロスの多い方を捨ててみるってことね。じゃあ、



ここからを捨てて、



をポンしたら、捨てるのは当然だから、

 ポン

こうだね。聴牌できる牌は、

…だけじゃなくてもある!合計20枚だ!

ってかこれ、雀頭2型じゃん!ポンチーよし型!!
ということで、



からを捨て、を鳴くと、20枚待ちの未来が待っていました。
えー、なんだか不思議!
効率よく進めてたはずなのに、未来が逆転する!
二向聴で効率が良く、一向聴で効率が悪いのと、
二向聴で効率が悪く、一向聴で効率が良いのと、
どちらの方が優れていると思いますか?
そりゃ、一向聴で効率が良い方がいいでしょ。
だって、手が進むごとに、有効な牌って減ってくもん。
その通りです。だとすれば、



何を捨てるのが正解でしょうか?
が正解ってことになるんだ。
なるほどねー。常に効率良く打つと、かえって損することもあるのか。
そういうことです。
二向聴の時は、「手が進んだ時にテンパイチャンスが最大になるような打牌をする」
ことが大切だということがお分かり頂けましたか?
分かった。けど、それって難しくない?
いいえ。
テンパイチャンス最大の術をマスターしている、るなさんの場合、
これっぽっちも難しくないはずなのです。
マジで!?
私全然分からなかったんだけど!?
先ほど、るなさん、こう仰っていましたよ。
「ってかこれ、雀頭2型じゃん!ポンチーよし型!!」
ということは・・・?
・・・あー!!
もしかして、テンパイチャンス最大の形を見つけて、それ以外を捨てろ
ってことになるの?
そういうことです。



ご覧下さい。

この部分、が片付けば、見事に雀頭2型の「ポンチーよし」になりますよね?
ここが一向聴の時に残るようにすればいいのです。
すると、おのずと打牌はとなると思います。如何でしょうか。
そうか、一見効率の良いを捨てると、ポンチーよしの部分を崩しちゃうことになるのか。
こうして分かってみると、を捨てるのはもったいないね!
ご理解頂けて何よりです。
このように、テンパイチャンス最大の形が手の中にあるならば、
その部分を丸々残しての一向聴を目指しましょうね。
はーーい!!




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