元禄積み・爆弾積み 理論と対策
麻雀のイカサマは大別すると、
積み込み・すり替え・隠し・通し・コンビ技などがあることは、
既に姐さんから習ったと思いやす。
ええ。るなちゃんには、あらかた教えてあるわ。
実際には、これらのイカサマに微妙なアレンジが加わって、
あっしが知ってるだけでも40は下らない種類があるんでさぁ。
うわ。イカサマ技ってそんなにあるんだ!
ひとまず、ここでは、その中でも代表的な「積み込み」について細かくお教え致しやす。
そうでさぁな…積み込み技の花形は、やはり「元禄」と「爆弾」。ここから参りやしょう。
そうね。そのあたりからがいいわ。
るなちゃんには細かい所までは説明していないから、
カズ、あなたが教えてあげなさい。
教えやすいように、私がちょっと術を使ってあげるわね。そーら。
わ、牌の色が変わった。
姐さん、ありがとうございやす。

では、まず、元禄。
これは、自分のツモ筋に有効牌を伏せ、
ツモ牌が全て有効牌になるような積み込みでやんす。
東家が黄色の牌をツモり、南家がその下の牌をツモり、
西家は青、北家はその下…ツモ牌は、このように、整然と並んでおりやす。
ポンやチーがなければ、各人は、この道から外れることはございやせん。
(全ての山で元禄積みを仕込んでみやした。)
そして、こちらは爆弾。
自分が配牌で取ってくる部分に、ごっそり有効牌を伏せておく積み込みでやんす。
配牌で決めるので、ポンやチーの心配をしないでも良く、
ひどく瞬発力のある積み込みでやんすよ。
(サイの目5の爆弾を積んだ山でやんす。青が有効牌でさぁ。)
なるほど、なるほど。
だけど、ちょっとサイコロが狂うだけで、取ってくる部分も全然違うんじゃない?
ところが、ここでなかなか面白いことが起きやすよ。
さ、全ての山に、4色の牌で、元禄を仕込みやした。
るなさん、実際にサイコロを振って何度か配牌し、
どの色の牌がツモ筋になるか、確かめてみておくんなせえ。
うん。私が親ってことでいいんだね。
9が出た。じゃあ配牌するよ?
すると、私のツモ筋は・・・黄色の牌だね。
じゃあ、配牌を戻して、もう一回サイコロを振って…
今度は8。配牌をとって…
すると、ツモ筋は…あ、さっきと同じ黄色だね。偶然?
もっかい配牌。今度は・・・12が出た。この時は…
えええ?また黄色!?
不思議とお思いでしょうが、これこの通り。
自分のツモ筋は、サイコロに関係なく、既に決まっているんでさぁ。
この性質が、元禄積みの基本でやんす。
自分の山をツモる時は、
東家は上段の中筋(黄)、
南家は下段の中筋(紫)、
西家は上段の外筋(青)、
北家は下段の外筋(緑)、
と決まっている…ってな寸法で。
ということは、例えば自分が東家なら、上段の中筋(黄)に
有効牌をズラリと並べておくだけで、
自分の山がまさに宝の山となるんでやんす。
なるほど…ずっと麻雀してたけど、これには気づかなかった。
元禄は分かったけど、さすがに爆弾の方は、サイコロの目によるでしょ?
うふっ。初々しいわ。食べちゃいたいくらい。ククク…。
爆弾の場合も、元禄ほどではないにせよ、法則性があるんでやんす。
さ、るなさんの山に、このように爆弾を仕込みやした。
えーっと、これだと、5が出れば、積み込んだ牌を持ってこれるね。
あれ?左側、1個、なんかはみ出してない?
まあ、気にせずサイコロを振ってごらんなさい。
うん。だけど、うまく5を出せないと台無しだよね。
どうかな?えいっ!…ああ、6になっちゃった。
そのまま配牌して下せえ。
分かった。取って取って・・・えええ!
このように、この爆弾は、5でも6でも効果のあるものとなっておりやす。
さっきの「はみ出してない?」と仰った部分は、チョンチョンの部分。
サイコロが6になってしまった場合の保険、ってわけでさぁ。
ちなみに、この爆弾、サイコロを失敗すると、ゴッソリ対面に流れやす。
このため、イカサマ師のコンビは、対面同士に座りたがることが多いんですぜ。
そういう所からも、イカサマしそうかどうかが分かるってことね。
そういうことになるね。
なるほど、サイコロの目と配牌には、こういう性質があったんだ。
これを悪用して、積み込みをするんだね。
では、ここからは、これらの積み込みの対策といきやしょう。
まずは元禄からいきますぜ?

相手がどうも元禄を積み込んでいるようだ、と思ったら、
いくつか確認する術がございやす。
そうね。いろいろあるわね。
ここでは、3種類の疑い方をお教えしやしょう。

@ 相手の山から配牌をとった場合に確認する
A 相手のツモ・アガリに注目する
B 逆モーションをしていないか注意する
おー、元禄の疑い方って、けっこういっぱいあるんだ!
@ 相手の山から配牌をとった場合に確認する

疑う相手の山から3回とも配牌でとれた場合を考えますぜ?
配牌を取る時、こんな風に並べるんでさあ。
配牌をとってくる。
相手視線となるよう、必要に応じて向きを変える。
最初の配牌2幢を、
下段を右に、上段を左に置く。
2回目の配牌2幢も同様。
3回目の配牌2幢も同様にする。
13枚目の配牌は右端へ。
元禄を積み込んでいると思われる相手の
ツモ筋を起こしてみる。
なるほど。適当に置かずに、上段と下段をグループ分けして置くんだね。
鳴きが入らない時の相手のツモ筋は、決まっていやすね?
相手はそこに元禄を積み込んでいるはずでさぁ。
だから、疑う相手のツモ筋を、このように確認するんでやんす。
相手のツモ筋に同種牌が並んでいたりした場合は、要注意。
確たる証拠ではないものの、限りなくグレー。そう考えて下せえ。
今の例で行くと、中が3枚、相手のツモ筋に連続してあったってことだよね。
こういうのは怪しいね!
A 相手のツモ・アガリに注目する

積み込んでいると思われる野郎のツモ・アガリに注目して下せえ。

1. 相手の山が終わるまで鳴きがなかった。
2. 相手のツモ牌が全て手の中に入って行った
3. アガった手が、三色同順などの9枚役、あるいは染め手だった

これが全て満たされるようなら、元禄を疑っていいですぜ。
それは確かに不自然だよね。分かった!
B 逆モーションをしていないか確認する

最後はこれ、逆モーション。
逆モーションをしたり、しなかったりと、一貫性のない野郎は、
元禄を疑って下せえ。
シャドーネさん、逆モーションってなに?
山を積む時、手前の17枚を持って、向こうの17枚に乗せるでしょ?
そりゃそうだよ。
逆モーションとは、その逆の動作。
つまり、向こうの17枚を持って、手前の17枚の上に乗せることを言うの。
え・・・まあ、そうした方が、やりやすい人も、いるかも知れないよね。
そうやって積んだら、疑うの?
いえね、るなさん。
いつも逆モーションなら、疑う必要はないんでやんす。
具体的に言うと、疑うべきは、
「南家・北家の時だけ逆モーション」をする野郎なんでさぁ。
えーっと、、、なんで?
元禄は、まだ牌のたくさんある時に、牌を選んで積み込むんでやんすが、
下段にツモ筋のある南家・北家の時の積み込みだと、
向こう側の17枚(通常であれば下段になる方)を積む頃には、
牌はほとんど選べない状況になっているんでやんす。
そこで、先に、手前の17枚に積み込むんでさぁ。
で、こっちを下段にする為に、向こう側の17枚を上段に持ち上げる必要があるんでやんす。
ああ、なるほど。そういうことか!
南家・北家の時だけ逆モーションをする人間は、怪しいね!
以上3点に気をつけていれば、必ずや、元禄積みは看破できますぜ!
あっしが現役だった頃には、@の確認をされた時点で、
そいつ相手にゃ元禄は不可能、と決め込んだもんでやんす。
ってことは、とりあえず@をやって見せると、
元禄積みしようとする相手を牽制できるってことかな?
確かにそうね。無言のイカサマ防止となるわ。
相手にその意思がなくても、
とりあえず2〜3回確認して見せると効果があるかも知れないわね。
理解して頂けたようでやんすね。
では、今度は、それぞれの積み込み方に参りやす。

まずは、元禄から。
あっしがゆっくり積み込むので、良く見ていておくんなせぇ。
今回は、西家…上段の外筋に積み込んでみやす。
青が積み込む有効牌。
黄がその他の牌。
有効牌を真ん中に
ひとつ置く。
有効牌を持つ。
(画像は左手のみだが、両手で同時に行う。)
有効牌の内側に不要牌を持つ。
最初に置いた真ん中の牌の両端に
くっつける。
これを4回繰り返す。
あとは不要牌を普通に並べて
できあがり。
ええええ!ちょっと待ったー!!
あら。どうしたの?
真ん中に1個置いて、両側に2個を4回。
この積み方って、アイカさんが教えてくれた積み方と同じだよ!?
ええ、そうよ?
そうよ、って・・・。
それじゃあ、私、イカサマしてるって思われたりしない?
う…姐さん方は、そのような積み方を推奨なさってますかい?
そういうことであれば、確かに、このイカサマと区別がつきませんや。
この世界では、皆さん、イカサマなどなさらないと思いやすから、
そもそも区別する必要はないってことでやんすね。
そもそも、私達に教えを乞うた人間共が、
イカサマなどするわけがないの。
この積み方をしている相手が、どこから麻雀の知識を得たか分からないけど、
ひとまず疑ってみたらいいわ。
そういうことで、納得下さいますかい?
うーん・・・。私も、とりあえず疑われてしまうのかなぁ・・・。
とりあえず納得した。
次に、爆弾の積み込み方でやんす。

爆弾は、積み方にかなりの特徴がありますぜ。
疑う相手が、どんな風に積んでいるかを確認することで、
積み込みを確信できるんでさぁ。
確信!!よっぽど特殊な積み方なんだね。
じっとしてるのも飽きてきたわ。
どれ、爆弾は、私が積んで見せるわね。
るなちゃん、よく見てなさい。
両手に4枚ずつを
握りこんで洗牌。
(青い牌が有効牌)
最初に6幢を積む。
有効牌を左右2幢にし、、
6幢の左右にくっつける。
そこから、左に2幢、
右に5幢をくっつける。
あとはサイコロを5と出せば・・・ククク・・・。
うわー速い!なるほどねー!でも、なんか違和感があったよ。
そうか、最初に6幢、ってとこで、なんかおかしい気がしたんだ。
だって、普通、手前に、横に17個並べてから、向こう側の17個を並べるじゃない?
最初の6幢、ってのが超絶怪しいよね!
怪しいと思ったら、どうしやすか?
『最初の6幢』を見たら、相手の手元に置いてあるだろう有効牌を、
ガシャーって混ぜたらいいんじゃないかな。
OK。最初の6幢。これを見逃さないようにね。
では、あっしは、その変形技をご覧にいれやしょう。
最初に6幢を積まず、積み込み牌を奪われないやり方でやんす。
え!
ほう・・・亜流ね。見せて御覧なさい。
有効牌8枚を並べる。
その向こうに、6幢を並べる。
有効牌を半分に分け、その間に6幢を挟む。
左右の4枚を2幢に重ねる。
その外側へ、右手で5幢、左手で2幢積む。
なるほど、考えたわね。
これなら、積み込み牌を奪われることは絶対にないわ。
私のやり方の弱点を補うやり方ね。さすがだわ。
フッ。恐れいりやす。
あはははは!
うっ…笑う所ですかい?
結局「6幢」は作ってるじゃん!手元に8枚、並んでるかどうかの違いだよ。
これを見破るのも、やっぱり「6幢」だよね!
こんなの、よーく見てれば絶対に気付くって!
む。・・・そうね。爆弾積みは、やはりこの「6幢」が必須。
どんな小細工を足しても、ここだけはね…。
熟練のイカサマ師は、この6幢すら作らず、爆弾を積み込みやす。
が…それだけの技を身に着けた奴は、そうそういねえでしょう。
やはり、るなさんが笑うように、「6幢」を見抜くことが、爆弾の疑い方でさぁな。
ねえねえ!積み込んでるところ、カメラで録画していい?
皆さんにも見てもらおうよ!
こんな風に積んでる時は怪しいよ、って!
それはナイスアイデア。
ほら、カズ。てきぱきと積み込んで御覧なさい。
へい、合点でござんす。
あっしの積み込みが世間様に公開されることで、イカサマの芽が、
ひとつでも枯れることを願いまさぁ。

爆弾積み その1:http://youtu.be/cSMZ4SdTMfo
爆弾積み その2:http://youtu.be/2HSNXMfrKzQ
元禄積み その1:http://youtu.be/oHLeItUE4JE
元禄積み その2:http://youtu.be/GXzjQnWOkxI


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