空城の計 | |
るなちゃん。『空城の計』って、知ってるかい? | |
知らない。算数の問題かなにか? | |
三国志という物語の中で、こんなシーンがあります。 ものすごく優秀な戦略を立てることのできる、天才軍師がおりました。 この人の軍隊が大ピンチ。とある城に逃げ込んだんですね。 するとその天才軍師、何を思ったか、 全軍、城の裏口からこっそり退却しろとのこと。 そして、たった一人で、もぬけの殻の城のてっぺんで、 楽器を奏でたんだそうです。 |
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丸腰の天才軍師。いさぎがいいね。 でも、捕まるのも時間の問題。 裏口から逃げた軍も、追いつかれて一巻の終わりかな? |
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ところが敵は、 『あの天才軍師のことだ、油断させて何か罠にかけるつもりだろう』 と深読みし、その城へは突入せず、様子見をはじめたんだとか。 おかげで、軍はまんまと逃げおおせることに成功した。めでたしめでたし。 |
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あはは。そううまくいくのかなあ。 | |
この天才軍師の名が知れ渡っていたからこそ、できた荒技ですね。 深読みさせ、安全策をとらせ、自分にとって最も良い結果を導く…。 私共の術においても、これに似た芸当がございます。 |
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さあ、仕掛けるだけ仕掛けたぞ。 るなちゃんの捨てる番だ。どうする? |
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対面の仕掛け ツモ るなちゃんは東家、トップの対面と8100点差 |
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うわ、どう考えても、混一色。下手すりゃ清一色だね。 萬子も字牌も捨てられないよ。 それなのに、こんな牌ツモって来ちゃった。 仕方ない、ここはを捨てて、単騎待ちにしておこう。 |
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ロンだ。断幺九、1000点! | |
えっ!?ああ、なんだ。断幺九だったの。 安くて助かった。はい、1000点。 |
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確かに振り込み点数は少なかったですが、 るなちゃんは今、大切なものを失いました。 |
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・・・あー!私の親番が!逆転の大チャンスが!! しかも10000点差を越えちゃったよ、 次のオーラスで満貫をツモっても、逆転できない! |
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見たか、るなちゃん。 深読みさせ、安全策をとらせ、自分にとって最も良い結果を導く。 これぞ「空城の計」の極意だ。 |
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今回のるなちゃんは、やられ役でした。 このくやしさをバネに、実戦で活用下さい。 |
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なるほどね。「空城の計」か。 この術を使える局面があるといいなあ。 ところで今の局、まだ続いてるんでしょ、 オーラスまでしっかり打とうよ。 フレムさんに、5200点、直撃させる予定なんだから。 |
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まだトップを諦めていないのか! 点差の判断も正しいよ。 るなちゃんも、いつの間にか、 えらい上級プレイヤーになったもんだね。 |
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フレムが気持ちで押されている…。初めて見ました。 これはオーラス大逆転もあるかも…。私がしっかりと見届けましょう。 |
ブラフ | |
ブラフってなに? グラフなら知ってるんだけどね。 |
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「虚勢」という意味です。 | |
「はったり」とも言うぞ。 | |
麻雀も勝負事だから、虚勢を張ることもあるんだ。 でも、どんな風にするの? 「私の手、高いよー!」とかって、言いふらすの? |
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おいおい。そいつはマナー違反だ。 自分の手のことは、口外しちゃいけない。 |
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麻雀卓の上の出来事は、全て、牌で語らなければなりません。 | |
そういえば、似たようなこと、アイカさんも言ってたなー。 牌で虚勢を張る…うーん、今の私には、ちょっと意味が分からないよ。 |
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そうだなあ。 現在ダントツ、南3局、西家のるなちゃんに、こんな配牌が来たとする。 |
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ツモ | |
バラバラだねえ…。アガれる気がしない。 | |
上家がとを捨てました。すかさずチーします。 | |
ふたつ鳴けたな。あとは思いっきり… | |
脇目もふらず、混一色を目指すんだね! | |
いや・・・早めに筒子や索子を捨て、敵の捨牌を見ながら、 安全牌をかき集めるんだよ。 |
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えー!じゃあ何でふたつもチーしたの? | |
るなちゃんの手は、敵からは、このように見えますね。 | |
(捨牌) |
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どう見ても混一色か清一色だね。 | |
るなちゃんの下家がこんな風なことしてたら、 るなちゃんなら、どうする? |
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自分の手が犠牲になろうとも、 萬子や字牌はガッチリ止める!捨てないよ! |
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だよなあ。 ってことは、この喰い仕掛け、敵の手を妨害してるのと同じだろ? |
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確かに! アガれる気がしないメチャクチャな手でも、こんな風にすると、 敵からは不気味に見えるんだ! |
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これが、ブラフです。 アガることが無理ならば、敵の手を妨害するのです。 |
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なるほどー。 特に、「上家にアガって欲しくない」って局面で、使ってみたいね。 うーん…上級者って、そういう心理戦もやらなきゃなのか。 私はすぐ引っかかりそうだな…。見破る方法はないの? |
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その後の捨牌とかでバレる場合もあるけど、まああれだ。 こんなことを敵がしてきたら、大事をとってオリておけばいいよ。 どうせ敵もあがれないんだから。 |
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それはそれで敵の思う壺だから、釈然としないけど…。 まあいいや、いつも降りておけば。 振り込むよりはマシだよね。 |
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そのように考えて下さる人間がいるからこそ、 この「ブラフ」の術が有効になるのです。 |
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なに!どうしろって言うのー! | |
あはは。 実戦譜で知識を深めよう! |
喰い替えひっかけ | |
「空城の計」が発展した術、 「喰い替えひっかけ」についても教えてあげるよ。 |
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空城の計に似た術ですが、こちらは更に攻撃的です。 | |
喰い替えって、ファエルさんの初級で習った、 と持ってた時、チーしてすぐを捨てるってやつ? |
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はい。そうです。喰い替えを行うため、 「現物喰い替えなし」か「喰い替えあり」のルールでのみ 使用可能な術です。 |
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「喰い替えなし」だと使えないのか…。 で、どんな術なの? |
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るなちゃんの手、捨牌は、今、こんな感じだ。 | |
ドラ (捨牌) |
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6巡目にしてドラ暗刻を聴牌!みんなビックリするぞー! | |
ここで、上家が、を捨てました。どうしますか? | |
?必要ないと思うよ。でアガリだもん。 わざわざチーなんか、しなくたって…。 |
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普通そうだよな。 でも、この術は、わざとこのをチーするんだわ。 |
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えーっ。どうして? | |
敵の視点から見てみましょう。 もし敵がこのようなチーをしたら、るなちゃんは、どう考えますか? |
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(捨て) |
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捨牌を見ると、どうも断幺九・平和っぽいね。 フレムさんの上級で、習ったよ。 チーしたから、平和は消えた。とすると、断幺九? からをチーしてを捨ててるんだから、多分、間違いない。 大して高くなさそうだけど、大事をとって、 を崩す時は、を捨てようかな。 |
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ほら、そのでロンだ。 | |
おおー。なるほど! 断幺九を目指していると見せかけて、幺九牌で待つってことか! |
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これぞ、喰い替えひっかけの術。 牌に嘘をつかせて、アガリ牌を誘い出すのです。 守りに入った敵に対して、なかなかの効果を発揮しますよ。 |
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でも…。 今のチーは何だったんだ!とかって、怒られたりしない? |
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あはは。そりゃ、負け犬の遠吠えってやつだ。 そんなことを言われたら、 『あなたのそのを期待しました。』 と、クールに答えてやってくれよ。 |
トイトイ?チートイ? | |||||||
フレム、ちょっとこれ見てください…。 | |||||||
あちゃー、ひっでー。 初心者さんなんだろな。はがゆいぜ。 |
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こんにちは!あれっ、なに深刻な顔してるの? | |||||||
るなちゃん、いいところへ。 私、今、「ネット麻雀」の、牌譜を見ていたのです。 |
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牌譜っていうのは、ある対局の中で、 なにを持ってきてなにを捨てたかの記録のことだよね。 ネット麻雀っていうのは、そんな機能もあるんだね。 あれっ?PCが見当たらないけど? |
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あはは。あたしたち、こうやって目をつむるとな、 | |||||||
あっ、千里眼の術、でしょ。アイカさんから教えてもらったよ。 | |||||||
ああ、なんだ。知ってたか。 | |||||||
千里眼の術は、データも見れたりするの? データって、電子の羅列って聞いたけど・・・すごいんだね。 |
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そのデータを見ていたのですが、あんまりひどすぎて…。 フレムと検討していたんです。 |
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何がそんなにひどかったのかな? どれどれ、私にも見せてよ。 お手々をつないで、と…。 |
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ここで、対面が捨てたをポン。 捨て |
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なるほど、七対子1向聴からのポン。 断幺九、対々和を狙ってのポンと見たよ。 |
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るなちゃん、このポン、どう思いますか? | |||||||
役はあるんだから、ポンしまくるのもアリじゃない? ツモ牌より、敵の捨てる牌の方が多いんだし、 聴牌もずっと早いと思うけどな。 |
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うーん、るなちゃんも、そんな風に考えるか。 折角の機会だ、ひとつ、術…というか、心得を教えるよ。 |
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なに? | |||||||
将来を考えたら、こんな対々和、絶対狙っちゃダメだ。 | |||||||
ええっ、どうして? 対々和自体、狙っちゃダメってこと? |
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そうではないのです。 今のこの手、あとポンしなければいけないのは、何ですか? |
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だよ。 あっ、待てよ…これ全部、「友達の多い牌」だね。 こんな牌、みんな、なかなか捨てないだろう、ってこと? |
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もう悟ったか!さすがだぜ、るなちゃん! そうだよ、こんな牌、序盤にバシバシ捨てられることなんて、ほとんどないんだ。 |
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指をくわえて捨牌を待つうちに、 敵から攻撃され、右往左往するのが目に見えていますね。 この手は、おとなしく、七対子を目指すべきだったのです。 |
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そうか、ポンしやすい牌かどうかを考えて、 対々和を目指す必要があるんだね。 じゃあ、具体的に、どんな手なら対々和を狙っていいのかな? |
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そうだな。こんな手ならいいと思う。 | |||||||
なるほど。友達の少ない、あたりは、 捨ててくれる可能性が高いね。 七対子の一向聴を捨てる価値はありそうかな。 |
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ただ、対々和を目指すにしても…。 私からも、術、というか、心得を、お教えしましょう。 |
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なに? | |||||||
が出たら、直ちにポン。 は、早い段階の1枚目はスルーし、 2枚目をポンするよう、心がけてください。 |
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?? はすぐポンしちゃだめなんだ。 ちょっと理由が分からないなあ。どうしてかな? |
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なるほどね。ファエルのその心得も、将来のことを考えてるな。 | |||||||
そうなの? 将来のことを考えたら、さっさと手が進めた方がいいような気もするけど? |
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それじゃ、ふたつの未来を比べてみよう。 どっちがアガりやすいと思う?
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下の方がアガりやすそう。は多分、捨てられるでしょ。 聴牌気配を嗅ぎ付けられてを止められたとしても、 少なくともを止めた敵の手は台無しにできるね。 それに、敵に攻められた場合も、を捨てていけば、 まず振り込むことはない。防御面でも優秀なのは、下の方だ。 |
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その通りです。 待ってよし、守ってよし。 隙のない対々和の聴牌に持っていくには、 数牌は1鳴き、字牌は2鳴きを心得ると良いのです。 |
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なるほどね。早い段階では字牌に飛びつかない方がいいってことか…。 なかなか難しいね、私に我慢できるかなあ。 |
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その「我慢」ができるかできないかの違いが、 初級者と上級者の違いだろうな。 ま、少なくとも、友達の多い牌ばっかりの時に、対々和を目指すような アンポンタンなことしなけりゃ、あたし的には合格をあげるよ。 |
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それだったら、すぐに実践する自信があるよ。 捨てられにくい牌の対々和は目指さない! |
情けの塩の計 | ||||||||||||||
ぐすっ…。これぞ義というものです、感動しました。 | ||||||||||||||
ナイススポーツマンシップだ! 何百年も前に、こんな人間がいたとはな! |
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ランランラーン。こんにちはー! あれっ、ファエルさん泣いてる? |
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グスッ…ああ…るなちゃん。 上杉謙信という武将を知っていますか? |
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やぶから棒だね。 そりゃもちろん知ってるよ、私、新潟県生まれだよ? |
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新潟県の武将なの? じゃあこの「情けの塩」の話も知ってる? |
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うん。えーっと確か、今川家だっけ?が、武田家のいる山梨に、 塩止めの法(塩を売っちゃダメだっていう決まり)を作った時、 それだと山梨の人たちが困るから、新潟からはどんどん塩を売れ、 って命令したんだよね。 黙って見てればライバル減るのに、そうしなかったんだよ。謙信公。 すごいよねー。 |
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ううう・・・。 | ||||||||||||||
だからなんで泣くの!! | ||||||||||||||
ファエルはこういう話に弱いんだよ。 あたしも猛烈に感動したわ。カッコ良すぎるだろ上杉謙信。 正々堂々ってのはこういうことだよな! |
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今でも「情けの塩」とかって呼ばれてるよ。 そういう名前のお菓子も売ってるんだー。 |
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・・・ひとつ術を思い出しました。 上級のるなちゃんなら、使いこなせるかも知れませんね。 お教え致します。 |
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情けの塩で思い出した術!? どんなんだろ。 |
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オーラス、このような局面です。 下家が、私共の捨てたをチーし、を捨てました。 |
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あたしらがトップか。なるほどな。 るなちゃん、この下家、何の役を目指してるんだと思う? |
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なんだろね。 ドラも早々と捨ててるし、役牌か、三色同順・・・? それくらいしか思いつかない。 |
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そうですね。 多くの場合、これは役牌のみの手です。 |
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オーラスなのに、そんな安い手アガってどうするんだろ。 2着にも上がれないのに。 |
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4位の親が頑張っちゃう前に、3位を確定させたかったんだろうな。 | ||||||||||||||
なるほどね。 で、ファエルさんは、と捨ててるけど、 これはなんで?混一色を狙ったの? |
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配牌からオリたのです。 配牌は、こうでした。 |
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・・・そんな悪い配牌ってわけでもなさそうだけど・・・? | ||||||||||||||
あたしら、この時、トップだったんだよ。 この手、うまくいけば、なかなかの手になりそうなんだけど、 そうすると、手の中が、友達の多い牌だらけになるよな。 点棒を守りたい者が、わざわざ火薬庫を作る必要もないだろ? |
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そっか。それで、初めから、安全牌になりそうな牌をとっといて、 危なくなりそうな牌を捨てていったんだね。 |
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そうです。 そして、下家が、と鳴きました。 この鳴きを見て、私は、作戦を変更し、 下家に「情けの塩の計」を用いることとしました。 |
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あれ?ファエルお前、この術、違う呼び方してなかったっけ? 『差しこ…』とかなんとか。 |
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いいんです。変更です。 上杉謙信の志を偲び、今からこの名前に致します。 |
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そっか。ファエルがいいってんなら、それでいいぜ。 「情けの塩の計」な。 |
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情けの塩の計! どんな計なの? |
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つまりこの場合、下家のアガリを手伝おう、ってこったな。 できたら、振り込むとこまで。 |
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えー!わざと振り込むの?なんで!? | ||||||||||||||
下家の狙いは、3位確定…。 ドラも早々と捨てられています。 どう見積もっても、満貫が関の山でしょう。 |
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まあ、そうだよね。 | ||||||||||||||
2着とは2万点以上離しており、下家との点差は29500点。 跳満直撃でも、逆転されません。 |
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振り込んでも、トップは変わらないってことか。 | ||||||||||||||
この点棒状況を活かし、下家に情けの塩を送ることで、 この半荘のトップをモノにしようという計略です。 |
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なーるほど! 下家が安くアガってくれれば、ゲームセットだもんね! わざと手を進めてあげて、終わりにするんだ! |
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だとすると、ここから、何を捨てたらいいと思う? | ||||||||||||||
役牌のみっぽいんでしょ? そしたら、とかとか捨てて、鳴いてもらおう! これでロンされれば、なおいいね! |
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正解です。 たくさん持っている点棒を使い、局を有利に運ぶ計。 できそうですか? |
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今までの私なら、多分、とかは、捨てなかったなあ。 今度から、早アガリを目指してる人がいたら、 そこにわざと振り込むことも考えながらやってみるね! |
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ちなみに、さっきの場面、あたしらを捨てて、 見事、下家に2000点を振り込んで、ゲームセットになったんだ。 |
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うまくいったんだね! ・・・なんだか、が、お塩の入った袋に見えてきたよ。 |
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それは気のせいです。 今後は、状況が許せば、敵に塩を送ることを考えてみて下さい。 |
鳴き手の見極め |
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鳴きに関し、メリットとデメリットを答えてみて頂けますか。 | |
メリットは、手が早く進むこと。 デメリットは、手が安くなったり、安全牌に苦労したりすること。 |
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おー、分かってるじゃん。 ってことは、そのデメリットが全くない役であれば、 ガンガン鳴いて完成させた方がいいってことだよな! |
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え?…ああそっか、そうだよね。 デメリットがないなら、いいことばっかりだ。 |
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ここで少し思い出してみましょう。 「鳴いても安くならない役」…何があったでしょうか? |
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えーっとね。一番最初に思い出すのが「役牌」だね。 次に「タンヤオ」。あとは…あ、ドラ? |
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確かに、ドラの価値も、鳴いて落ちたりしませんね。 | |
というように、 「タンヤオ」「役牌」 これを目指す際は、門前にこだわる必要は全くないことになるよな。 |
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はい。 特に、これらの手にドラが入っているような場合、 もう1も2もなく鳴いて手を進めるのが良いということになりましょう。 |
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なるほど。 けど、ドラが入ってないと、1000点程度の安い手になっちゃうよね。 そういう場合でもどんどん鳴いた方がいい? 誰かからリーチとか来られると、身を守るのが大変そうなんだけど。 |
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確かに。 1000点アガるのに、親リーチに全力勝負とかちょっと勝ち目がないよね。 けど、安全牌に困らず、いつでもオリられるような手なら、 安心して鳴いていけるよな。 |
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まあ理屈ではね。 けど、そんな都合のいい手があるかなあ。 |
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役牌の暗刻。 | |
え? | |
役牌の暗刻が早いうちに揃った場合は、どんどん鳴いて良いと考えます。 | |
なんで? | |
役牌の暗刻は、それだけで役だ。 しかも、この役牌、めったなことではロンされないのは分かるだろ? |
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…ああ、なるほど。単騎待ちにしか振り込まないもんね。 国士無双もあるけど、それは捨牌見たら大体分かるし。 |
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役牌の暗刻があれば、初めは全力で鳴き攻め、 敵の攻撃を受けるようなら3枚並べて凌ぐことができます。 役牌の暗刻は、まさに攻守両用の3枚なのです。 |
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そっかそっか。役牌の暗刻があったらどんどん鳴いていこう! あ、タンヤオは?タンヤオはどう? |
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タンヤオの場合、ちょっと慎重になる必要があるな。 タンヤオの見通しが立っても、そう簡単に鳴いちゃならん。 |
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なんで? | |
タンヤオを目指すと、鳴きたい牌がすべて中張牌です。 これは敵も欲しがっているはずの牌ですので、 おいそれとは出してくれないのです。 また、自分の手の中は中張牌だらけとなるため、 攻撃を受けた際に、身を守るのが大変に難しいのです。 |
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言われてみれば確かに。 鳴きにくい、オリにくいとあっては、 スピード命の手としては、ちょっとどうかなって感じだ。 |
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役牌暗刻であっても、安全性はクイタンよりずっと高いが、 鳴きたい牌が中張牌ばっかりなら、スピードは半減するだろう。 |
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ここまでをまとめると、 「捨てられやすい牌を鳴ける状態の役牌暗刻の手」 こういう状態なら、徹底的に鳴いていくといい、ということになります。 |
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どうやら、そうなるね。 けど、ドラいっぱいならやる気出るけど、ドラもなく1000点じゃ、 あんまりやる気が出ないなあ…。 |
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待て待て。自分のとこにドラがないってことは、 他の誰かんとこにいっぱいあるってことじゃねーか。 そいつのアガリを速攻で潰す、って見方もできるんだぞ。 |
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あっなるほど!たーしかに! そう考えれば、ドラがあろうがなかろうが、早くアガった方がお得なんだ! |
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それをお分かり頂いたところで、 鳴き手と呼ぶにふさわしいもの、微妙なもの、 鳴き手とは呼べないものの例を見て参りましょう。 まずはこちら。 |
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ドラ | |
うわードラ暗刻! もうこれは、鳴ける牌が出たら絶対鳴かなくちゃでしょ! |
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そうだね。 役牌のドラが暗刻なら、誰もが納得だ。 ガンガン鳴こう! 次はこれ。 |
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ドラ | |
…上と同じだけど、ドラがないんだね。 これもやっぱり鳴いた方がいいのかな? |
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はい。比較的捨てられやすい牌で構成できますので、 このような手もどんどん鳴いて、敵のチャンス手を妨害しましょう。 |
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ただ、この手は安い。思ったように鳴けず、手が進まぬうちに 敵から立直を食らった、なんて時は、迷わずオリてくれ。 次はこれだ。 |
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ドラ | |
これ、あたし、が出たらポンしそう。 | |
鳴きに出る方もいらっしゃると思いますが、 私としましては、あまり鳴かない方が良いと思います。 |
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そう? | |
うーん…穴ぼこだらけだぜ。 ドラもなく安いし、役牌を鳴いても、そのあとが続かなそうだ。 ひとまず1枚目はスルーして、手がいくらか育ってから鳴く方が無難だな。 |
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そっか、役牌を鳴いても、聴牌に手間取るようではね。 次からちょっと気を付けようかな。 |
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その方が良いでしょう。 次はこちらです。 |
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ドラ | |
おわードラ暗刻! これも鳴いていくよね! |
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だなー。 タンヤオも確定してるし、鳴ける牌は全部鳴く!くらいの気持ちでOKだ。 ガンガン鳴こう! |
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このように、十分高い手であれば、防御は考えず、 鳴いてでも、まっすぐアガリに向かうのが良いでしょう。 次はこちら。 |
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ドラ | |
うーん…なんか鳴いた方が早い気もするけど…どんなもんだろ。 | |
あたしなら、これ、鳴かないわ。 | |
理由は? | |
タンヤオが確定しない形では、鳴いた後、タンヤオにならない方を引きますと、 フリテンに陥ります。 |
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アガれない方を引く心配をするくらいなら、門前で手を進めた方がいいぜ。 | |
なるほど。タンヤオを目指して鳴くと、が使えなくなるもんね。 タンヤオが確定しない形があるなら、できるだけ鳴かない方がよさそうだ。 |
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そんな感じです。 他にも様々な場面がありますが、ひとまずは、 「高得点」「鳴きやすい」この2つが揃ったら必ず鳴きましょう。 どちらか一方であっても、鳴いて手を進めることを推奨いたします。 |
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はーい!それで覚えておくね! |
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