…ようこそ。私、森の妖精、ファエル…。 …私の担当は、「喰い仕掛け」…。 植物の根のように、相手の捨牌を吸い取る術… どうか、身につけて…。 |
オリエンテーション | |
…るなちゃん、ですね。こんにちは…。 …!!…ううっ…。 |
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宜しくお願いします、ファエルさん。 って、どうしていきなり泣いてるの!? |
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こういう形で…約束…守って…くれた…。 あの人が…懐かしくて…。 |
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まただ。 なんか、みんな、私と会うと、昔を思い出すんだよ。 |
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ぐすっ…ごめんなさい。 るなちゃんにも、そのうち、わかると思います。 |
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いや、まあ、いいんだけどさ。 多分、私に似た人が、昔、ここに来たんだよね。 |
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はい・・・はじめは弱々しい方だと思っていましたが、 たった一晩で、私を励まして下さるほど成長した、すごい方でした。 |
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すごい人もいたもんだ。 それで、ファエルさんは、何を教えてくれるの? |
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私は、「喰い仕掛け」について、お教えしましょう・・・。 | |
喰い仕掛け!魚釣りみたいだね。 |
ポン | |||||||
自分が、のように、 2枚、同じものを持っているとします。 |
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うん。アタマのようにも見える。 | |||||||
誰かが、を捨てました。 | |||||||
3枚集めれば、役牌のコーツ・・・。 私のところに来て欲しかったなー。残念。 |
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そこで、呪文を唱えて下さい。 | |||||||
え。呪文ったって、難しいことは分からないよ。 | |||||||
大丈夫。こう言うんです。 『ポン』 | |||||||
…なんか、ずっこけるくらい簡単だけど。 そんなんでいいの? |
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いいんです。ポンと唱えると、人が捨てた牌を吸い取って、 自分のものにできるんです。 そして、できあがったコーツは、自分の右側にさらします。 |
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吸い取ってきた方向を、横にするんだね。 でも、どうして? |
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敵から牌を吸い取ってきたとしても、 敵の『この牌を捨てた』という事実は消えません。 ですから、誰が捨てたものか、明らかにしておく必要があるんです。 |
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なるほど。相手の捨牌の記録ってことなんだ。 | |||||||
ちなみに、どんな牌でも、ポンできます。 役牌でなければならない、ということは、ありません。 |
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上の例ではだけど、同じ牌が2枚あれば、 なんでもポンできるんだね。 ところで、ポンした後って、次は誰の番になるの? |
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右の人の番です。 麻雀においては、常に、「今、牌を捨てた人の右」へ、 順番が移ってゆきます。 |
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ってことは・・・。 もし私が、向かいの人からポンすると、左の人は、 順番を飛ばされちゃうってこと? |
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その通りです。 | |||||||
そうなんだ。 なんだかちょっと、かわいそうな気もするね。 |
チー | |||||
自分が、と持っています。 | |||||
を持ってきて、リャンメン待ちにしたいよね。 | |||||
今、左の人が、を捨てました。 | |||||
これも、吸い取れるの? | |||||
はい。 「チー」と、呪文を唱えてください。 |
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あはは。これも簡単だー。 | |||||
但し、チーの呪文は、飛距離が短いので、 左の人にしか効果がありません。 吸い取ったら、それによってできたシュンツを、 このように晒します。 |
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なるほど。チーは左からだけなんだね。 あ、それなら、こんな風に並べてもいいんじゃない? 数字順の方が、きれいじゃないかな。 |
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まあ、それも一理あるんですが・・・ ポンの時、左から吸い取った牌は、左を横にしました。 ですから、チーの時だって、左から吸い取ったものは、 左に置いておかないと、一貫性が・・・。 |
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ああ、それもそうか。 じゃあ、こういうことでいい? |
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ありがとう、るなちゃん。スッキリしました。 | |||||
あっ、ねえねえ。ひょっとして、 同時にポンとチーされることって、 あるんじゃないの? |
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ありますね。 誰かがを捨てた時、 るなちゃんがを、私がを持っていれば、 ポンとチーが同時に唱えられます。 |
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そういう時は、そのは、どっちのもの? | |||||
飛距離の長い「ポン」が優先となります。 | |||||
ポンが優先なんだ。 ってことはさ、誰かがチーした時、 そのチーを邪魔する為に、ポンするってことも 考えられるんじゃないの? |
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・・・ルール上は、そのようなことも可能になりますが、 誰かがチーを唱えてから、そのチーを邪魔するポンを唱えるのは、 卑怯な振る舞いであると考えられていることから、 「ポン優先」ではなく、「発声優先」とするルールも 広く普及しているようです。 |
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奪い合いでけんかになるより、そっちの方がいいのかもね。 とりあえず、ここでは、 ポンとチーが同時なら、ポン優先ってことだけ、覚えておくよ。 |
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とう!…だめだ、捕まえられない。 | |||||
無理せず、ポン・チーの呪文を唱えて下さい。 |
ポン・チーの手順 | |||||||||||
喰い仕掛けは、必ず、以下の手順で行ってください。 | |||||||||||
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ふーん。手順があるんだ。 なんだか、どれが先でもいいような気もするけど、 手順が決まっている理由ってなに? |
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健康麻雀の世界の、掟です。 | |||||||||||
おきて!つべこべ言わずに従え、ってことなのかな。 | |||||||||||
そちらの世界では、@ACBや、@CABの手順が 横行しているようですが、 私たちの世界では、それは絶対に許されません。 |
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例えば、この掟に従わず、@CABとした場合、 初心者は、どんな失敗しちゃうの? |
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初心者の方は、こんな風に晒して、 アガった時に初めて気付いちゃったりするんです。 |
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ありゃりゃ。チーになってないや。 って見せようとしたのに、お隣のを見せたのかな。 |
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掟に従えば、Aの段階で発見できますよね? でも、手順を守らなければ、この間違いに 気付くことができないのです。 |
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そっか。この掟、きっと、 「初心者に優しい手順」ってことなんだね。 どんなに上達しても、初心は忘れないようにしなきゃね。 |
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そんな先のことも考えているんですか。 なんと利発な・・・。さすがです、るなちゃん。 |
メリット・デメリット | |
ポン・チーのいいところは、どこだかわかりますか? | |
そりゃもう、手が早く作れるよ。 人のいらないもの、どんどん吸い取れば、すぐアガれるよね! |
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そうですね。それが一番のメリットですね。 | |
あれっ…ねえ、ファエルさん。 ポンしたら、役パワーが消えちゃったんだけど。 |
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そうなんです。多くの役パワーは、ポンやチーをすると、 パワーがひとつ落ちたり、消滅したりするんです。 フレムが、教えてくれませんでしたか…? |
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あー。そういえば習ったよ。『喰い下がり』だよね。 人の牌を吸い取ると、消滅する役パワーがあるって。 喰い仕掛けのデメリットって、これかな。 |
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そうですね。 他にも、手がバレる、捨牌の選択肢が減る、などの デメリットもありますが・・・。 |
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役パワーがなければアガれないもん。 ポンやチーで、次から次へと吸い取るだけではダメってことなんだね。 |
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そういうことですね。つかいどころは、考えるべきでしょう。 少なくとも、役パワーが0になってしまうような喰い仕掛けは、 厳に慎むべきです。 |
喰い替え | |||||||||
るなちゃんの手牌が、このようなものだったとしましょう。 | |||||||||
あとひとつで、アガれるね! でも、役パワーがないや。 門前清自摸に賭けよう。持ってこーい! |
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今、左の人が、を捨てました。 | |||||||||
?それがどうしたの? | |||||||||
これをチーすれば、「断幺九」になりますよね。 | |||||||||
あっ、確かに! のを、と入れ替えれば、断幺九だ! その、チー!これで、ロンもできるようになったぞ! |
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捨て | |||||||||
ここで、ご注意。 今、るなちゃんが行った喰い仕掛けを、 『喰い替え』と言います。 |
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くいかえ。どういうこと? | |||||||||
完成していたメンツの、 片方の端をチーした直後、もう片方の端を捨てることを 喰い替えと言うのです。 今の場合、⇒(捨て)と、 をチーした直後にを捨てる行為が、喰い替えです。 |
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なるほど。それを、喰い替えって言うんだね。 で、喰い替えがどうしたの? |
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この喰い替え、禁止としている場合があるのです。 | |||||||||
えー!そんなルールもあるの? どうして禁止なの? |
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完成しているメンツを、わざわざチーして晒すのは、 不自然だからです。 |
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不自然って・・・。 断幺九を作って、ロンあがりできるようにしたのに。 アガリのチャンスを増やしたんだから、 別に不自然じゃないと思うんだけど。 |
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るなちゃんの意見も、ごもっともですが…。 喰い替え禁止とするルールでは、 そのようなチーは、できないのです。 |
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そっか…。覚えておくよ。 | |||||||||
あっ、ですが、今の手格好であれば、 喰い替えととられずに、チーすることが可能です。 |
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えっ?どうすればいいの? | |||||||||
このようにチーしましょう。 | |||||||||
捨て | |||||||||
なるほど!こうすれば、 片方の端をチーして、もう片方の端を捨てたことには ならないね! 喰い替えなしのルールでも、これならOKなんだ。 |
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はい。これなら、OKです。 | |||||||||
対局の時は、喰い替えの取り扱いについて、 よく確認する必要があるね。 禁止している場合がある、ってことは、 禁止していない場合もあるってことでしょ? |
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その通りです。 喰い替えのルールは、大きく分けて、 3つのランクがあります。 |
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⇒(捨て)は、 「現物喰い替えなし」のルールや、 「喰い替えあり」のルールなら、OKってことなんだね。 |
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はい。 対局時、どのルールとするかは、 よく取り決めておくべきです。 |
吸い取るだけじゃない | |
「ポン」「チー」の初級編は、これだけ? | |
はい。これで終わりです。 | |
なーんだ。大したこと、なかったなー。 | |
…クスッ…。 | |
あっ、笑ったね。 喰い仕掛けは、敵の牌を吸い取るだけの術でしょ? |
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笑ってしまって、ごめんなさい。 実は、喰い仕掛けって、もっと奥が深いものなんです。 |
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え、他に何か特別なルールがあるの? | |
いいえ。ルールは、今、教えたことだけです。 | |
うーん…中級編以上の話になるんだね? | |
そういうことです。初級編を全て理解したら、 次は、中級編でお会いしましょう。 私、ずっと待っていますから…。 |
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