私、光の妖精、シャインと申しますわ。
私が申し付かっておりますのは、『カン』と『ドラ』ですの。
人間の邪な欲望が生み出した『ドラ』。
これを光の結晶に変えて無毒化し、
健康麻雀における「戦略性」を広げる要素と
しておりますのよ。

オリエンテーション
あなたがるなちゃんですわね?
お初にお目にかかりますわ。
よろしくおねがいします、シャインさん。
なんか「セレブ」って感じがするね!
私がお教えしますのは、「カン」と「ドラ」でしてよ。
ドラの毒は抜けておりますので、ご安心あそばせ。
えええ!毒!?なにそれ?
のちほど、ご説明差し上げますわ。
なにやら危険なものみたいだねっ。
心して覚えるよ。
あら、心の光が…。
あの方そっくりですわね。
雰囲気は全然違うのに…。
うん。なんかねえ、前に来た人に、
私、よく似てるみたいだよ。
妖精さん達、みんなそう言ってる。
ははあ、なるほど…。
あの方も、もう、立派になられましたのね。
時の流れは早いものですわ。
まあ、昔の人のことはいいからさ。
早く教えて!その「毒」!
「ドラ」と呼んでくださいまし…。
これでも、頑張っておりますのよ。
なにか悪いこと、言っちゃったかな。
ごめんなさい。「ドラ」だね。
うふっ、ありがとう、るなちゃん。
では、始めさせて頂きますわね。

ドラとは
まずは、「ドラ」についてですが…
このドラ、もともとの麻雀には、なかったものですの。
日本の人間が、麻雀を賭け事の道具とした際、
新たに導入した『毒』なのですわ…。
そうなんだ…。
そんなもの、健康麻雀に、本当に必要なの?
ええ。
毒を抜きますとね、「頭を使う要素」が増え、
麻雀がより楽しくなりますのよ。
そっか。それなら安心だね。
それで、ドラって何なの?
1枚持っていると、役パワーのどれかを1だけ増幅させる、
光の結晶ですの。
ってことは…
メンゼンツモの時、ドラが1枚あると、
役パワー1翻が、2翻になるってこと?
その通りですわ。
それって、すごくない?
メンゼンツモ、タンヤオ、ピンフの合計3翻が、
メンゼンツモ、ドラ2枚の3翻と同じってことでしょ?
頑張って役パワーを作るより、ドラを集める方が楽じゃん!
まあ…そうですわね。
元々、そういう目的のために作られた毒ですし…。
そんなものがあると、フレムさんの…
役パワーの立場がない気がする。
よろしくて?るなちゃん。
ドラを「幸運の牌」と見れば、
『いかにこの幸運を逃がさないように打つか』
…という戦略性が生まれるんですのよ。
簡単な例を見てみますわね。この手、どれを捨てまして?
見事にめちゃくちゃだね。
ここは、アクアさんに習った通り、
友達の少ない、を捨てるよ。
では、もし、このがドラだとしたら?
うっ…それはちょっと考えちゃう。
これがアタマになると、2翻のおまけでしょ?
その次に友達の少ない、を捨てた方がいいかな?
考えが変わりましたわよね?
これは、ほんの一例ですわ。
このように、「ドラ」という要素が入ると、
考えなければならないことが増えますのよ。
お分かりになりまして?
なるほどねー!これは確かに楽しくなりそう!

ドラの決まり方
ドラの決まり方を説明しますわね。
るなちゃん、配牌の取り方はご存知でして?
アイカさんに習ってきたよ。
さいころ振って、出た目の所から取るんでしょ?
その通りですわ。
アイカはしっかり仕事をしたようですわね。
今、サイコロを振ったら、9が出た。
自分の山の右から9つどけて、取り始めるよ。
 
 
                  ←配牌|  
はい。
…るなちゃんから見て、自分の山が、9列、残っていますわね。

うん。残ってる。
左から7列を、切り離してみて下さいまし。
こうかな?
  
  
                王牌 ←←←   ↑最後の牌  
この「左から7列」を「王牌(ワンパイ)」と呼びますの。
文字通り王様の牌なので、誰もここからツモってくることはできませんわ。
プレイヤーが持っていくことを許されるのは、王牌の手前の、
上の図で言う『最後の牌』の部分まででしてよ。
そうなんだ。
王牌の中に、自分の欲しい牌が入っていたら、嫌だね。

最後の牌・・・ってことは、
その最後の牌までに誰もアガれないと、「流局」なんだね?
牌を使い切って誰もアガれないと「流局」だって、アイカさんが。
そういうことですわね。

そして、この王牌の、左端から3つめの牌が、ドラ表示牌になりますわ。
めくってみて下さいまし。
これでいい?
  
  
が出たよ。ってことは、がドラになるの?
ドラは、表示牌の「次の牌」になりますの。
ですから、この場合は、がドラでしてよ。
なるほど。次の牌がドラね。
でも、とか、とかは、次の牌はどうなるの?
表にしてみましたわ。ご覧あそばせ。
の意味は、「が表示されるとがドラ」ですわよ。
数牌
字牌
なるほど。9の次は1に戻るんだ。
それから、字牌は…は、
それぞれ別グループなんだね。
また、ドラのめくり方には、手順がございますの。
@ 左上の牌を下に降ろす
A ドラをめくる
この手順を、守って下さいまし。

@おろす



Aめくる                  
      
分かった。でも、どうして、この部分を降ろすの?
「カンの手順」でお教えしますわね。
ドラは、あくまで「おまけ」ですのよ。
 おまけどころじゃない気もするね。まぶしい!

カン
次は、「カン」をお教えしますわ。
カンっていったら、
♪「しーんぱーいないからね〜、きーみーのーおーもーいーが〜(略)」
な…なんですの、その呪文。
私の世界では、カンっていえば、この歌なの。
うた…。
私共の世界で言う、呪文のようなものかしら。
あら。るなちゃんの心の光が、輝きを…。
不思議なものですわね。
えっと、し… しーんぱーい… ない… からね…?
一曲フルに歌ったら、元気になったよ。
次は、この世界の「カン」だね。
…コホン。そうでしたわね。
るなちゃん、ファエルに「食い仕掛け」は教わりまして?
「ポン」と「チー」の呪文なら、教わってきたよ。
便利だけど、役パワーが消えたりするので、乱発厳禁!って。
よく身についてらっしゃいますわね。
私のお教えする「カン」は、
「同じ牌を4枚集める」ためのものですの。
集め方によって、以下の3つのパターンに分かれておりますわ。
パターン 説明 さらし方
@ アンカン
(暗槓)
自分が3枚同じ牌を持っている所へ、
4枚目を自力で引いてきた時に行うカン。
この食い仕掛けのみ、他人の牌を吸い取っていないので、「食い仕掛け」からは除外される。
A 大ミンカン
(大明槓)
自分が3枚同じ牌を持っている所へ、誰かが1枚捨てた際に行うカン。
B 小ミンカン
(小明槓)
自分がポンしているものと同じ牌を自力で引いてきた時に行うカン。

(ポンで横にした牌に重ねる)
だめだ、わかんない。これも、ひとつづつ、説明して。
よろしくてよ。
ひとつずつ、確実に理解すると良いですわ。

@ アンカン(暗槓)
まずは、この「アンカン」ですわね。
うん。どういう時に、アンカンになるの?
今、というコーツを持っていたところに、
改めて、4枚目のを引いたとしますわね。
うん。
この時、「カン」の呪文を唱えますと、この4枚を
ひとつのメンツにすることができますのよ。
あれっ、メンツって、3枚で1セットだと思ってたけど。
「カン」の呪文は、この4枚を固めて、ひとつのメンツと
見なしちゃうんだ?
そのようなイメージでOKですわ。
このように、全部自力で引いた4枚を固めるカンを、
「アンカン(暗槓)」と言いますの。
そして、このように、みんなに見せますのよ。
まず、すべてを見せる ⇒⇒⇒ 両端を裏返す
両端を裏返すのは、どうして?
はて、そういえば…?
おそらく、「誰からも力を借りていない」という
意思表示ではなくて?
確かに、ポンやチーと違って、
誰かから吸い取ったわけじゃないね。
ですので、喰い仕掛けの中では、
このアンカンに限り、「喰い下がり」がございませんの。
人の牌を吸い取ると、喰い下がりになるんだっけ?
全部自力なんだし、喰い下がりがないのは当然だよ。

A ダイミンカン(大明槓)
次は、ダイミンカンですわね。
なんだかおいしそうな響きだね!
私、みかん大好きなの!
大好きみかん!ダイスキミカン!ダイミンカン!
みかん…?
それも、そちらの食べ物か何かかしら。
まあ、好きなものが多いことは、いいことですわ。
みかん、知らないんだ。
まあいいや。ダイミンカンって何?
と、コーツを持っているとしますわね。
を引けば、アンカンできるよね!
今、が捨てられましたわ。
残念。アンカンできない。
そこで「カン」と唱えますと、を吸い取って
カンができますのよ。
あ、4枚目って、ポンと同じく、吸い取れるんだ。
そうなんですの。ポンと同じように、
吸い取った方の牌を、横向きにしますわ。
左の人から 向かいの人から 右の人から
なるほど。
向かいの人から吸い取った時、横にするのは
右から2番目じゃないとだめ?
うーん、少々迷いますわね。
しかし、右から2番目が正しい形ですのよ。
ここは厳しくさせて頂きますわ。
必ず、右から2番目を横になさいまし。
はーい。



B ショウミンカン(小明槓)
最後は、ショウミンカンですわね。
あら、るなちゃん。どうなさいましたの?
さっきからずーっと考えてるんだけど、
4枚集めるパターンが、思いつかないよ。
アンカンとダイミンカンで全部じゃないの?
ウフフ。
と、ポンしたコーツがあるとしますわね。
ポン?カンの話じゃないの?
とポンした人が、
改めて、自力で4枚目のを持ってきた時、
これをカンできますのよ。
え!それはノーヒントじゃ気づかないよ。
普通、ポンしたら、そのメンツはそれで終わりと思うじゃない。
これが「ショウミンカン(小明槓)」ですわ。
ポンをしたコーツに1枚くっつけるので、
「カカン(加槓)」などと呼ぶ方も、おられるようですわね。
これは、どんな風に、みんなに見せるの?
ポンをした時に横にした牌へ、重ねるように置きますわ。
ポンしたコーツ カン こう重ねる
⇒⇒⇒
なるほど。ダイミンカンの時とは、少し並べ方が違うね。
そのカンが、ダイミンカンだったのか、ショウミンカンだったのか、
見たら分かるようになってるんだ。
あら。今、言おうとしましたのに。
全くその通りですわ。

カンの手順
カンの手順は、以下の通りでしてよ。

@ カンの呪文を唱える
A カンの種類に応じ、決められた通りの形で見せる
B カンドラをめくる
C リンシャンパイ(嶺上牌)を持ってくる
D 1枚捨てる または ツモあがり
えーっ!なになに?
ポンやチーとは全然違うね。
それに、知らない言葉が急に出てきたよ!
カンドラ?リンシャンパイ?なーにそれ?
カンドラとは、誰かがカンをした時にめくられる
ドラ表示牌のことですの。
また、リンシャンパイ(嶺上牌)とは、
カンした際にのみ触れることを許される、特別な牌でしてよ。
カンしたら、ここから1枚、補充しますの。
通常の王牌 ↓嶺上牌
1回カンすると              ↓カンドラ
      
   
カンドラをめくると、これまでのドラはどうなっちゃうの?
もちろん有効ですわ。
つまり、最初のドラが4枚、カンドラが4枚。
卓上には、8枚のドラが存在することになりますわね。
なんだか、すごいことになるね。
あっ・・・でもさ、王様の牌を、勝手に取っていっていいの?
王様の牌、1個、減っちゃうよ?
良いご質問ですわ。
その通り、カンをしますと、王牌が1個減ってしまいますの。
これでは王様に申し訳ございませんので、
本来、プレイヤーのものであった牌の最後の1枚を、
王牌に、補充しますのよ。
そっか、それなら安心だね。
リンシャンパイって、いかにも特別な名前だけど、
なにか特典はあったりするの?
実は、リンシャンパイでツモあがりすると、
それだけで役パワーになりますの。
「リンシャンカイホー(嶺上開花)」と言いますわ。
嶺の上に花が咲く。字づらが素敵だね!
そういった特殊な牌ですので、
ドラをめくる際に落として見せたりしないよう、
ドラをめくる手順が定まっている、というわけでしてよ。
そういうことだったんだね。
ちなみに、草津では、お湯の中に花が咲くことになってるよ。
♪「くさつよいとーこー いちどーはー(略)」
「うた」は、花が咲く所まで指し示しますの?
私共の呪文なんかより、よっぽど細かいですわね。
あなどれませんわ…。



ドラのこぼれ話
ドラをめくる部分の山を「王牌(ワンパイ)」って言うけど、
これってどんな理由なの?
あら。面白い所に注目なさいましたわね。
王牌には、何枚の牌がありまして?
7列だから、14枚だね。
何かの枚数と、同じじゃありませんこと?
えーっと、あ、アガった時の数と同じだ。
さすが、よく気づきましたわ。
その昔、麻雀は、戦争の合間に、兵隊さんが楽しむゲームでしたのよ。
兵隊さんは、上官の命令は絶対。
4人で麻雀を楽しんでいる所に上官が来て、
「俺も入れてくれ」と言われた時、
いつでも差し出せる牌として、とっておいたのが起源とされていますわ。
へえー!だから「王」っていう、偉い人の字が使われてるんだ!
でも、ドラをめくっちゃったら、怒られない?
元々は、ドラをめくったりはしませんでしたのよ。

『王牌を残す』というルールは、後世においても、固く守られ、
麻雀が日本に伝わった際も、それは守られていたようですわね。
でも、ある時、人間の欲望が、
「こうしたらギャンブル性が高くなる」という理由で、
「芸者牌」とか「懸賞牌」と呼ばれるルールを、
麻雀の世界に持ち込んでしまいましたの。
これが現在の「ドラ」なのですわ。
そうなんだ…。そしたら、こんな「ドラ」なんて、
入っていない方が健全なのかな…。
しかし、ドラの存在によって、
麻雀の戦略性が非常に広くなったのも事実ですの。
そのような恩恵もあって、ドラは、
健康麻雀の世界にも受け入れられていますのよ。
ゲームを楽しく複雑にできたのが、ドラってことなんだね。
また、昨今、「赤ドラ」なるものが非常に普及しておりますわ。
聞いたことある気がするよ。何だっけ?
特定の牌を赤く塗りつぶし、
その牌はいつでも「ドラ」とするルールですのよ。
をそれぞれ1枚ずつ
赤く塗って使うのが一般的のようですわね。
これが「赤ドラ」ですわ。
ほら、毒々しいほどに真っ赤でしょう・・・?
ってことは、いつも、ドラが7枚あるってこと?
そうですの。しかも、この赤ドラの所持枚数が、
直接、お金のやり取りの対象となっている場合が多いようですわね。
え、麻雀の内容に関係なく、赤いのを持ってるだけで?
ええ…。
ドラを管理している私から言わせて頂ければ、
この「赤ドラ」、麻雀を侮辱するものに他なりませんわ。
赤い牌を持っていれば勝ち、そんなの麻雀と言えまして?
ただのギャンブルじゃありませんこと?
ひどいね。うん、そんなの麻雀じゃない。
赤ドラなんて、誰が考えたんだろう…。
とはいえ、この赤ドラも、ギャンブルに供さないのであれば、
通常のドラなどと同じく、頭を使う要素を増やすものであると
考えられますわね。
そう?例えば?
例えば・・・と持っていたとして、
にするかにするか困る場面があったとしますわね。
赤が入っているルールであれば、将来、を引いた時、
安全に入れ替えることができるよう、を選択するとか、
そんな感じですわ。
なるほどね。ちょっとだけ納得した。
結局は、この赤ドラも、使う人間次第、ってことなのかも。
るなちゃんならば、このような毒であっても、
きっと、薬として使って下さいますわね。

今後派生すると思われる、どのようなギャンブル的ルールであっても、
薬として使って下さる、そんな、るなちゃんのような人間が、
そちらの世界に増えて下されば、きっと、私共の世界も・・・。



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