立直すべき時
さっき走って行ったと思ったら、もう帰って来たのね。
素晴らしい吸収力だわ。 どれどれ、そしたらお姉さんは、
「立直すべき時」を教えてあげましょうか。
シャインさんの「カン」では、
カンすべき時が本当に少なかったよ。リーチもそうなの?
フフフ。カンと一緒にされたら困っちゃうわね。
「リーチすべき時」は、普遍的なものではなく、
10人いれば、10人の考え方が異なる内容よ。
アクアさんの「牌効率」と違って、正解がないってこと?
その通り。試行錯誤を繰り返し、長い長い研鑽の末、
ようやく会得するのが、この「立直すべき時」なの。
私が今から教えるのは、るなちゃんの『出発点』。
まずは私の言うことを鵜呑みにしてね。
そして、対局を重ね、「こうしたらもっと勝てるのではないか」と
自己否定を繰り返し、色々試してみるのよ。
PCで言うと、初期設定みたいなものだね。
私の思考回路の初期設定を行います。カチャカチャ…
みたいな感じなのかな?
PC?私には分からないわ。
でも、思考回路の初期設定というのは、
正鵠を射ているわね。
対局を重ねて、その思考回路を
カスタマイズしていけばいいってことでしょ?
すっごく楽しそう!
ううむ…。
よく分からないけど、納得はしてくれたようね。
では、「立直すべき時」…始めるわよ?
はーい!お願いします!
以下のような場合は、立直すべきよ。

@ 3飜の確定した両面待ち以上
A アガれば順位が変わる
B 両面待ち以上で、喰い仕掛けしたプレイヤーが多数
C カンが入っている
ひとつづつ、身に着けていくよ。
@は、どういうこと?
3飜の手に立直をかけると、大体、4000点ほどの
得点アップが見込まれるわ。
1000点を生贄にして、その4倍返って来るなら、立直よね。
そっか、立直は、生贄…千点棒を支払うんだったっけ。
でも、4倍返って来るなら、冒険してもいいね。
Aは、どういうこと?
麻雀はトップを、即ち1位を目指すゲーム。
ということは、今よりもひとつ順位を上げることが、
中間目標となるわよね?
順位をひとつ上げる為には…と、
いつも考えることが重要なの。
そっか。ひとつ上の順位を中間目標にすることが大切なんだ。
Bは、ちょっと分かんないね。
食い仕掛けした敵が多数ってことは、
もうすぐアガられるってことじゃないのかな?
そしたら生贄も無駄になっちゃうよ?
そういう意見もあるわね。
でも、喰い仕掛けを行っている者は、
まっすぐアガリを目指している場合が多く、
大多数のプレイヤーが、ほぼ丸腰状態よ。
アガリ牌を出す可能性が、門前状態よりもずっと高いの。
そっか。自分があがれるかどうかは不明だけど、
ロンできる可能性が高いから、リーチもあり、ってことだね。
最後にCだけど、これは分かる。カン裏を狙うんでしょ?
その通りよ。
そのカン、敵に、後悔させてやりましょう。
ドラが乗るか乗らないかが楽しみなのは勿論、
この場合で特筆すべきは、他のプレイヤーに与える「惑い」。
不確定な要素である分、とても不気味よね。
カンが入っていると、立直の恐怖は倍増するわ。
振り込みたくなければ道を開けろー!
裏ドラ様のお通りだー!
汚物は消毒だーっ!
って感じだよね。これは爽快!
そこまで傍若無人に振る舞わなくてもいいわ。
あくまでも、さりげなく、ね。
えへへ、ごめんなさい。たっ助けてく たわば!
それ言いたかっただけじゃない?

立直すべきでない時
立直すべきでない時も、当然あるの。
中級者になりきれない人は、自らが闇の誘惑に溺れ、
この項目が実践できていない場合が非常に多いのよ。
分かるわね?
うん。ってことは、ここで教えてもらうことを実践できたら
中級者以上ってことでしょ?これはよく覚えておかないとね!
立直すべきでない時は、こんな感じね。

@ 1000点を支払うことで順位が落ちる
A アガリ牌より良形変化牌の方が多い
B 包になる可能性がある
これも、ひとつづつみていこう。
まず、@の場合。
たとえば、3着との点差がわずか900点という大接戦の中で、
立直棒を出してしまうと、あら不思議。
一気に3位に落ちてしまうわね。
アガれればいいけれど、他の人がアガってしまったら…?
なるほど、1000点さえ惜しい大接戦の時は、他に役があるなら、
立直は控えた方がよさそうだね。
Aの場合は、初級編の「リーチの基準」で触れたわよね。
アガリ牌より、良い形になる牌の方が多いなら、立直は
かけない方がいいのよ。
これは、初級でよく理解したから、大丈夫!
次のBも、フレムさんに強く念を押されたよ、
役満の包になりそうな時に立直しちゃいけないって。
ふふっ。フレム、ちゃんと忘れずに教えてくれたようね。
一般的にはそれで間違いないわ。
でも…。
例外もあるの?
包になる牌を自分が使い切っているなら、話は別よね。
この場合、包になってしまう可能性はゼロ!
強気で攻め、殴り合うのも面白いわ。
但し、包になる牌で待つ形であれば、立直はしちゃダメ。
そりゃそうだよね!
みんな、捨ててくれない牌で待っていたって、アガれないもん。
やったーテンパった!シャドーネさん!リーチおねがーい!
・・・本当にいいの?後悔しない?考え直したら?

中級編修了
さて、中級編は、これでおしまい。
るなちゃん、どうだったかしら?
難しい内容も山ほどあったけど、理解してみれば、
このへんくらいまでは覚えておいて当然!って感じ。
ほほー…大きく出たわね。
まあ、当たらずとも遠からず。
中級編までの内容が理解でき、実践できるようなら、
かなりの実力がついているはずよ。
覚えること、まだまだあるの?
あるんだったら、教えて欲しいな!
いいでしょう。では、上級編へ進んでね。
他の妖精達も、喜ぶんじゃないかしら。
あ、でも…。
でも?
上級の知識を学ぶのであれば、「点数計算」が必須。
点数計算も並行して習得してね。
点数計算ができて、初めて、「麻雀が出来る」と言えるの。
知識ばかり詰め込んでも、点数計算ができないんじゃ
カッコ悪いわよ?
まあ、先にどちらへ進むかは、るなちゃんにお任せするわ。
シャインさんが、点数計算は誰の担当になるか、
困ってるみたいだったよ?
あ…確かにそうね。
これまでは、各妖精が、適当に教えてたけど…
点数計算に関しては、私も教えてあげたいわ。
じゃあ、今から教えてよ!点数計算!
ひょっとしたら、他の妖精も、るなちゃんに、点数計算を
教えてあげたがっているかも知れないわ。
一応、みんなと相談してから…ね。
そう?そしたら私、今までのところ、復習しておくよ。
それはいいことね。
基礎を固めてこその上級。
学ぶ姿勢だけは、超上級者よね。本当に頭が下がるわ。

中級編に最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
中級編では、防御の知識である、「スジ」「カベ」が登場しましたね。
その他、攻撃をより効率よくするための術が、目白押しでした。

ここまでを完璧にマスターし、実戦へと反映させたなら、
脱・初心者を達成したものと考えて良いでしょう。
次は、是非とも、点数計算を、習得して下さい。
点数計算が自分でできて初めて、「麻雀ができる」と言えると、
雀新会では考えています。

上級編では、上級者が、どんなことを考えているのかが、
たくさん出てきます。
重箱の隅をつつくような話もたくさんありますが、
脱・中級を果たしたい方は、
覗いてみると良いかも知れません。

それでは、次のステップにて、
7妖精一同、あなたのお越しをお待ち申し上げております。

2011年5月吉日 NPO法人雀新会 代表 宮川美和子






















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