一盃口
一盃口か。教わるのは、あたしだな。
フレムさんなら、この役名が、本来の役名と「字」が変わったことは、知っていますよね?
もちろんだぜ。本来は…

一般高

人間達は、こんな字を書いてたな。
さすが、正解です。
発音は「イーパンカオ」ですね。
ああ、そこまでは常識だ。
ところで、イーパンカオってのは、どんな意味なんだい?
直訳すれば「平均的な高さ」
麻雀では「同じような組み合わせ」「似たもの同士」といった意味合いで使っています。
そうなんだ。先生、すごいねー。
中国の人なの?
るなちゃんと同じ、日本人だよ。
で、実はこの「一般高」、日本に麻雀が伝わり、広まっていった時期である、
大正〜昭和初期には全く採用されていませんでした。
ええっ、マジか。
今は超メジャーな役だけど、昔は違ったってことだな。

はい。そして第2次大戦後、
満州麻雀を主体とした立直麻雀が関西を中心に急速に普及します。
昭和22〜23年頃には関東にも伝わり、
その中にこの「イーペーコー」もありました。

その時、なぜか「イーペーコー」の漢字が伝わらず
関東の人には字が分かりませんでした。
そこで「いっぱんこう」とか「いっぺいこう」と発音されていたことから、
当初は一配刻・一傍高・一並子・一平行・一並口など
さまざまな当て字が使われていました。

その後、日本で最初に成文化された立直麻雀ルール
「報知ルール」
の起草者とされる当時の日本麻雀連盟幹部「天野大三」氏が
『「いっぺいこう」がまるで「一杯行こう」と聞こえた』
ということで、そこから盃と口を組み合わせ、
「一盃口」と当て字し、現在はこの字が普及しているのです。
なんだと!ってことは、「一盃口」って。
単なる「オヤジギャグ」から生まれて普及したんだ・・・。
中国のゲームなのに、日本人が勝手に名前をつけちゃったんだね。
うん、そうだよ。
他の役/役名やルールでも日本人を含め
「中国人以外のひと」が考えたものはいっぱいあるよ。
それも別のときにお話するからね。
はーい!
なあ、さっき、「一般高」って、「似たもの同士」って意味だっつったよな。
麻雀の役には、一盃口の他にも、三色同順とか、三色同刻とか、二盃口とか、
似たもの同士を集める役があるけど、こいつらは「一般高」って呼ばないのかい?
むっ・・・さすがフレムさん、鋭い着眼点です。
そうなんです、実は、「一般高」という言葉は汎用性が高く、他の役にも使う言葉なのです。
例えば、「三色同刻」は「対一般高」(トイイーパンカオ)などと・・・。
あー、他の役のことは今はいいわ。そんないっぺんに、覚えられねーよ。
なるほどねー。まとめると、「一般高」って、「似たもの同士」って広い意味の言葉だけど、
オヤジギャグで「一盃口」って字をあてられて、一盃口専用の言葉になっちゃったってことなんだ。


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