役をとる?ドラをとる?
さて、こんな手をご覧あそばせ。どれを捨てますかしら?
 ドラ
を捨てれば断幺九。でも、がドラだね。
断幺九をとる? ドラとっとく?
そうだね…ドラをとっておくよ。
の順子にが来たら、断幺九が崩れるもんね。
わたくしも、それが正解だと思います。賢い判断ですわ。
ちっくしょー。あたしとしては悔しいわ。
でも、この場合は、確かにるなちゃんの言う通りなんだ。
役が確定していないなら、ドラをとっといた方が現実的だよな。
じゃあ、こんな手だったらどうだい?鳴きなしで。
 ドラ
あ、今度は断幺九が確定しているね。
鳴きなし?うーん…そしたら、ドラをとっておくかなあ。
断幺九もドラも、同じ1飜なら、
いっぱい引く可能性のある、ドラのを残すよ。
またまた正解。素晴らしいですわね。
くっそー…。その通りだな。同じ価値だから、ドラをとっておく。
2つ来たら、アタマにもできるもんな。
じゃあ、こんなのはどうだ!
 ドラ
うひょー、三色同順が確定してる!しかも、断幺九も確定の変則三門張!
これはさすがにを捨てるでしょ!
ドラ1個より、断幺九+三色同順の3飜にした方が、ずっとお得だもんね!
こんな場合に限り、ドラ捨ても、止むを得ませんわね。
この手なら、わたくしも納得ですわ。
基本的に、ドラをとるか役をとるかの判断では、
ドラをとった方がよろしくてよ。
他人にポンされてしまうのを防いだり、
手を読む材料を与えるのを防ぐ効果もありますの。
但し、役を取った方が手が高くなる場合、
場の状況が許す限り、ドラを捨てた方がいいんだ。
まあ、当たり前っちゃー当たり前だわな。
場の状況が許す限りっていうのは?
立直がかかってるとか、明らかに清一色やってる下家がいるとか、
対々和やってる人がいるとかさ、
鳴かれたり、ロンされたりする危険がある場合は、
捨てない方がいいよ、ってこと。
分かった!基本的には役よりドラを大切にして、
役の方が高くなるなら、場の状況に注意して、ドラを捨てようってことだね!
そういうことだね。
しかし…なんというか…あたしとしては、複雑な心境だな。
ドラが、フレムのお株を奪っているんですものね…
もはや、お詫びの言葉も思いつきませんわ。許して下さいまし。
シャイン、別にお前のせいじゃないだろ。
悪しき欲望の闇から、麻雀の世界にドラなんぞを導入したのは
誰でもない『人間』なんだから。
そうなのですが…。
人間は、何故、麻雀を、ギャンブルの道具にしてしまったのでしょう。
そして、何故、「ドラ」などという毒を、盛り込んでしまったのでしょう。
麻雀を楽しむというより、ギャンブルを楽しみたいんじゃないのか、人間共は。
だったら、わざわざ、麻雀を使わなくても良いのにな。
そこらへんの原っぱで、かけっこでもやってりゃいいんだよ。
そんで、勝った負けたとはしゃいでればいいってのにさ。
人間は、意味を付けたがる生き物と聞き及んでおりますわ。
麻雀の知的な部分が、腕の優劣を分けるあたりに、
ギャンブルとしての意味を見出したのかも知れませんわね。
ああ、腹が立ってきたぞ!
あたしたちの世界に何しやがんだ、人間共!
麻雀を博打の道具にする奴、みーんないなくなっちまえ!
(うう、めちゃくちゃ怒ってる…。
麻雀をギャンブルに使う人、どうやったら減らせるのかな…。)
おいっ!るなちゃん!
はっ、はいっ!
そういう意味では、るなちゃんは、あたしたちの希望の星だ。
「健康麻雀」…そっちの世界にいっぱい広めてくれよ…頼むぞ。
汚すことができるなら、きれいにすることだって、出来ると思いますの。
麻雀から、ギャンブルなどの不健康な部分を取り除き、
「健康麻雀」として、そちらの世界に広く普及させることができれば、
いつかきっと、私共の世界は、かつての輝きを取り戻しますわ。
うん!私、がんばるよ!
健康麻雀、ひとりでも多くの人に伝えるね!


ドラブラフ
(・・・よーし。このオーラス、5200以上アガれば、
親のシャインさんをまくってトップ。
けど、10000点以上を振り込んじゃうと、一気に4位か・・・)
くっ。使えねえドラだ。さっさと捨てとこう、打
ポン。頂きますわね。
(は?親のシャインさんがドラだけどオタ風のをポン!?
満貫コースじゃん!!っていうか役はなに!?)
鳴かせちまったか。
だがあたしもラスの身だ、悪いがまっすぐ行くぜ!
(まあ、4位はなにしても4位だもんね、ドラだろうがなんだろうが捨てるよね…。
2向聴のこの手、どうしようかな。リーチかけてツモればまくれるんだけど、
シャインさんの満貫はやっぱり怖いから、4位にならないように、
ここはゆるゆるオリる感じで様子見かな…最悪、3着でもいいや。)
(あら。るなちゃんは、)
(安全策を取ったか。それでいいんだぜ、放銃しなけりゃ4位はない。)
どうやら、フレムと私の一騎打ちのようですわね。
わはははは!かかってこいやー!
(うわーもうダメだ。フレムさん、危険牌連打。アガる気満々だ。
そんなにいい手なのかな…とにかく、どっちにも振り込まないように身を守ろう。)
ツモ!満貫だ、2000-4000!
よーしよし、2着浮上だぜ!
では私が変わらずトップですわね。
お疲れ様でございました。
あーあ。結局私は3位か。
でも、シャインさんの満貫に振り込んでラスになるよりはいいよね。
・・・おいシャイン、今の手ぇ見せてみ。
(私も気になる。どんな聴牌だったんだろう。)
今回は特別に公表しますわね。はい。
ははは。バラバラか。
そんなこったろうと思ったぜ。
え!
ば…バラバラ!?
じゃあ、ポンはなんだったの?
るなちゃんに良い手が入っているような気がしたので、
ブラフを仕掛けてみましたの。
オーラスの配牌をもらった時、るなちゃんからものすごい闘志を感じたぜ。
逆転できそうな手が入ったんじゃないかい?
え、ま、まあね。
ですが、私のドラポンを見て、手を曲げましたわね?
そりゃそうでしょ。そんなのに振り込んだら一気に私がラスだもん。
その微妙な立場を、シャインは利用したんだ。
2着目のるなちゃんが突撃できなくなるように、わざと役なしの
ドラをポンしたんだよ。
ということは…私、ひょっとして、だまされた?
まっすぐ行ってれば逆転できたってこと?
その公算は大きかったですわね。
るなちゃんがオリて下さったので、私はトップが守れましてよ。
あたしも2着浮上まで手が練れた!
いやー助かった助かった!
うぐぐ…悔しいけど、こういう術もあるんだって覚えとくよ!
この術、『ドラブラフ』と呼びますの。
トップ目が、立場的に微妙な者の戦意を殺ぐのに非常に効果があるので、
機会があったら意識してみて下さいまし。



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