一発消し
私の「ポン」・「チー」、シャインが教えた「カン」には、
「一発」を打ち消す効果があります…。
一発? ああ、立直一発のことね。
喰い仕掛けがあると、無効になるんだよね。
どんな時、敵の一発を消さなきゃならないと思う?
うーん。わかんない。
ポンやチーすると、安全牌を使っちゃうことにもなるから、
一概には言えないんじゃない?
私達の世界では、「勝負できない手」、あるいは
「喰い仕掛けしても構わない手」ならば、
必ず一発を消しに行くのが常識となっています。
へえー。
ってことは、敵の立直には、ほとんど毎回、
一発消しすることになる気がするけど…
そこまでしてでも、敵の一発を消すべき?
うまく鳴ける牌が出たらの話だけど・・・私もそう思うわね。
麻雀の目的って何だった?
トップをとることでしょ。
そうよね。だったら、敵の妨害も、立派な戦い方よ。
自分の手が勝負にならないなら、尚更ね。
あれっ、それ、どこかで聞いたような気がする。
アガれないなら、妨害を考える、って。
どこだったっけ?
私のお教えした「海底ずらし」でしょう…。
あっ、そうだった、そうだった。
海底ずらしも、自分がアガれないなら、敵のアガリを妨害するって
考え方だったよね。
この一発消しも、同じってことだね。

ってことはさあ、一発消しをしたばっかりに、
敵にツモられてしまう場合もあると思うんだけど、
そういうのは考えなくてもいい、ってことになるのかな?
そういうことよね。
一発消しが仇となるようなこともあるけれど、
次のツモ牌は、エスパーでもない限り、分からないんだから。
今、直面したことに、最善を尽くす。
これが麻雀なんだよね、ファエルさん?
その通りです。よく身についていますね。
すっかりお株を奪われました。

一発消しをしない時
一発消しをしてはならない時も、往々にしてあるのよ?
例えば・・・


東家 34000点
北家 21700点

南4局 ドラ
南家 32300点
(るなちゃん)

西家 11000点


下家である西家からの立直だね。
えっと?親は、一発に、現物のを捨てているね。
私の手は…9巡目なのに、メチャクチャだ。
とてもアガれる気がしないよ。
安全牌は大量にあるので、普通なら、
一発消しをしたいところだけど…。
そこで、点差を見てみましょう。
下家が満貫をツモあがりしてくれれば、
私がトップになれる状況だね。
この一発を消したら、そのチャンスも薄くなっちゃう。
このは見逃して、私はを捨てておこうかな。
さあ、下家さん、頑張れ!一発ツモ〜!
うまくツモってくれるといいわね。

海底ずらしの術を使いこなせるなら、
一発消しの術も使いこなせるはずよ。
その調子で、自分の都合のいいように、
場を操作してね。
今のシャドーネのアドバイスは、
私が海底ずらしでお教えしたことと同じですね。
そう考えると、喰い仕掛けって、
自分の手を進めるというよりは、
敵のアガリを妨害する手段という意味が強い気がしてきた。
あっ、るなちゃんが今、すごいことを言いました。
ほう…。
初心者、中級者は、喰い仕掛けを、
自分の手を進める為だけにしか使わないわ。
いえ…使わないと言うよりは、使えないのよね。
敵を妨害することがいかに大切か、理解していないからよ。
でも、るなちゃんは、妨害の重要性に気付いたのね?
大したものだわ。
いや、自分の手を進める為にも、もちろん使うだろうけどさ。
妨害の為の喰い仕掛けも、決して疎かにできないなー、って。
…敵の妨害に関して、これ以上、
私がお教えすることは、なさそうですね。
パッシブスキル「妨害マスター」、免許皆伝です。

2鳴きは立直と考えよ
普通、鳴くと、手が進みますよね…。
うん。手が進む。
一発消しとか、海底ずらしの場合は、別だけどね。
どこまで鳴かれたら、相手は聴牌していると
考えられるでしょうか…?
えっ、そんなの、相手の手次第だよ。
手牌を開いてくれなきゃ、わかんないよね?
『2鳴きしたら立直と思え』…。
ふたつ鳴かれたら、相手は聴牌。そう考えるの。
それは、1鳴きで聴牌の時もあるし、
3鳴きしてまだ聴牌していないこともあるわよね。
あくまで目安だけど、2鳴きした敵に危険牌を捨てて、
ロンされても、文句は言えないわ。そういうことよ。
心構えのことなんだ。2鳴きは立直…なるほど!
でも、立直よりは手が読みやすいよね。
ピンズ屋さんなら、ピンズや字牌を捨てないように…
ってすればいいし。
2鳴きした相手に対し、
勝負に行くか、それとも降りるか。
相手の手の内を推理して、決めて下さい。
あ・・・でもさ、序盤にいきなり2つ鳴かれたら、どうなのかな。
とても聴牌しているようには感じないんだけど。
うーん…経験がモノを言う局面よね。
これまでの経験の中で、序盤に2鳴きした手が、
早くも聴牌していることが、どれだけあったか…。
とても多かったのなら、捨牌には気を配ったほうがいいでしょうし、
そんなこと、ほとんどなかったのなら、何を捨ててもOK、って
判断になるわよね。
あ、そんな風に考えてもいいんだ。
序盤にポンポン鳴いて、既に聴牌していた人なんて、
私、まだ見たことないから、ノーマークでいくよ。
それでもしロンされちゃったら、「いいもの見れた」って思えるし、
次から、ちょっとは気をつけるようにしよう、と思える。
自分の経験になるんだもの、決して無駄なダメージではないよね。

状況で変わる立直の恐怖
よーし立直!親立直だぞ、道を開けろー!
汚物は消毒だー!
え!なんでそんなの捨ててくるの?
ええ!ドラだよそれ!?通るけど!
あああ…クイタンでまくられた・・・2着。
ちょっとシャドーネさん!!
なによ。
立直は、敵に恐怖を与えるんじゃなかったの?
みんな通ってない牌バシバシ捨てて、
戦車みたいに突っ込んでくるんだけど!
どれどれ。…ははあ、これじゃあね。
親立直だからって、敵に恐怖を与えることはできないわ。
えっ、なに?その恐怖って、場合によって違うの!?
例えば、オーラス、るなちゃんが僅差の4位。
そこに親立直をかけられたら、
るなちゃん、怖いからってオリるかしら?
オーラスの4位なら?
振り込んでも4位には変わらないんだから、オリないよ。
じゃあ、アガった方がトップ!って時の2着で、
競ってる相手から親立直がかかったら?
うーん。形の悪いイーシャンテンなら、おりるかも。
だけど、自分も聴牌とかだったら押す!!
そうでしょう?
リーチの恐怖は、場の状況や点棒状況で
かなり変わるものなのよ。
言われてみれば・・・うーん、確かに。
そっか、親立直は、いつも敵を恐怖に
陥れることができるわけではないんだ。
そういうこと。まあ、簡単に言えば、
「振り込むと順位がすごく落ちる立場の者」や
「様子見を決め込んだ方が得な者」には、
恐怖が通じやすいわ。
逆に、「振り込んでも順位が変わらない」
「なんとしてもアガりたい」者には、
ほとんど恐怖は通じないわね。
自分のことのように考えると、よく分かる。
つまり、相手の気持ちになってみることが大切なんだね。
ちょっと、実践例で、相手の気持ちになってみせてくれない?
どういう相手にはリーチの恐怖が通じにくいか知りたいの。
分かったわ。
そしたら、ファエルを呼びましょう。
ファエル!ちょっといらっしゃい。
はい。お呼びでしょうか。
あなたの管理している「web麻雀」から、
場況の分かるものを出して頂けるかしら。
お安い御用です。
とはいえ、ひとくちに場況と言っても、様々ありますが。
うーん、まずは・・・
あ、あのさ。
どんな時だと恐怖が効きやすくて、
逆にどんな時だと恐怖が効きにくいか、
って風に教えてくれると嬉しいかなー、なーんて。
ああ、なるほど。
立直が敵に与える恐怖の話をなさっていたのですか。
そのように分類したほうが、分かりやすいですね。
そうね。そうしてあげるわ。
効きやすい時と効きにくい時。どっちからがいいかしら?
効きやすい時!!!
了解しました。
立直の恐怖が敵に伝わりやすい状況を出して参ります。
まずはこちら。
起家からの立直。
序盤だもの、ここで振り込んだら、苦戦は必至。
全員が恐怖状態だわ。
それでも歯向かってくる者がいたら、よっぽどの手よ。
点棒状況が平たいと、親立直の恐怖は絶大・・・
メモメモ。
次はこちら。
南3局。ラス目からの立直ね。
対面と上家との点差は、16000点以下。
つまり、満貫を直撃されると、一気に4位へ転落する局面ね。
オーラス間近で、そのようなリスクをあえて冒す必要性は低い。
対面や上家には、恐怖が大いに効くわ。
下家はどうかしらね。トップ目だから無理することもなさそうだけど、
立直の捨牌を自由に鳴けるから、
安全牌が続くうちは、かわし手で押すかもしれないわ。
下家への恐怖成功率は、50%といったところかしら。
4位転落は、何よりの恐怖・・・。メモメモ。
そして、こちら。
ダントツの南1局。
これは素晴らしく恐怖の効く局面ね。
ここまでに、かなりのアガリを重ねてきたわ。
調子の良い親の立直とあっては、
ほぼ横並びの子たちに歯向かう気など起こらないでしょう。
みんな、「いっそツモってくれ」って考えるわ。
これまでの調子も、恐怖の効き具合に影響・・・メモメモ。
こんなところね。
今度は、恐怖が効きにくい局面を出して頂戴。
かしこまりました。恐怖が効きにくい局面ですね。
まずは。
東1局、完全にフラットな状態での子の立直。
これは、正直、各敵の手格好だけで決まると思うわ。
誰に恐怖が与えられるかはあまり予測できないわね。
さすがの私でも、精々、親にはちょっと効きにくいかしら?
くらいのことしか分からないわ。
東1局の子の立直は恐怖度低め・・・メモメモ。
次は、こんな場面など如何でしょう。
一人へこみが親の南2局ね。
なるほど、この親には恐怖は全く効かないわ。
この親は、なんとかここで連荘して、
順位を上げようとするはずだもの。
これに対して、対面と上家は、
直撃されると順位が変わる可能性が高いから、
恐怖がよく効くことでしょう。
へこんだ親に恐怖の効果ゼロ・・・メモメモ。
最後はこちらです。
微妙な点差の南3局。
さっきと同じく、この親にはまず恐怖は効かないわ。
下家はもう親番がないので、いささか安い手でも、
トップがとれそうなら攻めてくるわ。
辛うじて恐怖が効くのは対面くらいかしら。
いずれにしても、立直の恐怖はほとんど効かない局面ね。
オーラス近くだとみんな攻めてくる・・・なるほどね。
ここいらで、効果をまとめてみては如何ですか。
ええ。
立直の恐怖がよく効く場合というのは、

・ 点棒状況が平たい時の親
・ 直撃で4位転落の者が多い
・ 自分がダントツ

こういう時だということね。
このような状況では、立直の恐怖が最大となるので、
いささか苦しい待ちでも立直優勢、となることが多いわ。
よく分かった!
そういう状況なら、立直のお通りだー!ができるってことだね!
あの・・・できたら、もう少し謙虚に・・・。



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