全自動卓の偏り(実験)
るなちゃん、アイカお姉さまから、
『全自動卓の偏り』について、学んだことがあるみたいですね。
うん。
局が終わったら、混ぜて落としたほがいいよ!って。
あの、るなさん。
全自動卓がそのように偏ることを、何回、アイカから見せてもらいましたか?
何回って、1回だけど?
え?
い・・・1回ですか。
うん。・・・なんかまずいの?
例えばるなちゃん、ボウリングで、ストライクを出したとしますよね?
うん。たまーに行くよ。ボウリング。
その1回だけ見て、
「すごい!この子はボウリングの天才だ!ぜひ我がプロダクションへ!」
なんて、スカウトする人間がいると思いますか?
ぶっ。さすがにそんなことないでしょ。
私、ストライクなんて滅多に出せないもん。
5点とか6点とかが多いけど。
そう。結果がバラバラになると考えられるような事柄というのは、
何回も試してみないと、本当にそうかは分からないのです。
そう言われてみれば、そうだよね。
その1回が、たまたまだったのかも知れないし。
あっそうだ!
そしたら、るなちゃん。私と一緒に、そのデータを、とってみませんか?
それはいいですね。
実験を繰り返し、データをとって、本当に自動卓は偏りがあるのか?ということを、
その数値から判断してみましょう。
データをとるの?割と面白そう!
具体的に、どうやったらいいの?
まず、手牌と捨牌が完全に混ざっているとして、ひとつの山には、
13枚の手牌が含まれて出てくるはずです。
理論的には、そうですね。
しかし、実際には、すべての山が13枚ピッタリになることはなく、
この山は14枚、この山は10枚…などというように、
ばらつきのあるデータとなると予想されます。
このデータをとってください。
えーっと、じゃあ、

@ 捨牌と手牌を色の違う牌にして、これを局が終わった時のように並べる。
A 混ぜずに牌を落とす。
B 出てきた山に、「手牌」がどれだけ入っていたか数える。

これでいい?
それでOKです。最低でも、30回は行って下さいね。
あ。自動卓は、こちらにご用意致しました。
はーい!
じゃあ早速やろう!ロールさん早く早く!
一生懸命しらべたよ!
ふう。さて、30回ほど実験できました。
るなちゃん、どうしますか?もっと調べますか?
さすがにもう疲れちゃった・・・。
これでやめよ?
るなさん、よく頑張りました。
では、そのデータを、集計してみますね。
こちらには、そのまとめだけを表示致します。

n=30 西
平均[枚] 7.0 11.3 14.8 18.8
標準偏差 2.0 2.6 2.9 1.8

組み合わせ t検定 有意差
東南 1.20E-09
南西 8.73E-06
西北 2.34E-08
北東 5.53E-32
東西 2.55E-17
南北 4.02E-19

苦労した甲斐があって、結果が、結果が…なにこれ。
意味不明なんだけど。
私も、「平均」までしか分かりません。
標準偏差とか、t検定というのは何ですか?アクアお姉さま。
標準偏差:
【平均値±標準偏差】の間に、データとして用いた数値の67%が含まれる。

t検定:
ふたつの数字の集団が、全く同じ平均・標準偏差を持つ数値である確率。

こういうことです。
ですから、以下の様なことが言えます。

1) 標準偏差が小さいほど、バラツキの小さいデータである。
2) t検定の結果が小さいほど、全く異なるデータである。
(通常は5%を閾値とし、5%未満であれば全く異なるデータ群とみなす。)
わかんない。
つまり、今回の結果は、どういうこと?
@ 東家の山に積まれる手牌は13枚より明らかに少ない。
A 北家の山に積まれる手牌は13枚より明らかに多い。
A それぞれの山は、同じように積まれることがない。

こうですね。
つまり、アイカの言ったことは正しかったのです。
全自動卓には、明らかに、偏りがあることが、数学的に分かりました。
アイカお姉さまの教えて下さった「牌の偏り」の正当性が
証明されたということですね!
なるほど!よかった!
できれば、「混ぜて落とした時」のデータと比較し、
「混ぜて落としましょう」という対策の妥当性も確認したいところですが…。
るなさんのやる気はもうなさそうなので、これは私が少し。えいっ。

n=10 西
平均[枚] 13.0 13.8 13.4 11.8
標準偏差 3.2 1.9 1.9 1.5

組み合わせ t検定 有意差
東南 0.50 ×
南西 0.65 ×
西北 0.04
北東 0.29 ×
東西 0.74 ×
南北 0.02

おー。
これ、もうほとんど、「完全に混ざってる」って言っていいよね。
アイカさんの「混ぜて落としましょう」ってのは、正しかったんだ。
なるほどねー。
これが、データで判断する、ということなのです。
るなさん、今回の実験の感想をどうぞ。
疲れた!以上!
・・・。まあ無理もないですよね。